~362~
回復魔法をかけているアルシュの手を握り、やめさせた。
「もういいんだ。それよりも、頼み事を聞いてほしい。」
「なんでしょうか?いくらでもお聞きします!」
涙を袖で拭き、リュシオルの手を握りしめるアルシュ。
「受け取って欲しい。」
そう言って出したのは、ルーチェの死体だった。
「ルーチェ様のご遺体ですね・・・。」
「あぁ・・・。静かなところに埋葬して欲しいと・・・。」
「わかりました。プワソン達にお願いですね?」
力なく頷き、託した。
「ですが、このままではリュシオル様が・・・。」
「お困りのようだね~。」
手を握りしめたままアルシュがどうしようかとオロオロしていると後ろから声が聞こえた。
姿を現したのは・・・。
「お前は!!!」
「知っているの?リュシオル君から聞いたの?」
「知っているのも当然だA。貴様には・・・。」
「まぁ、そんなんことはいいじゃないか。困っているんだろ?」
ニヤニヤしながら、リュシオルの傍に近づいていく。
「Aか・・・。笑いに来たのか?」
「違うよ?君の最後を見に・・・ね?もちろんとどめを刺すとか無粋なことはしないから安心して?」
「そうか・・・。」
自分を害さないと分かったのかリュシオルは警戒を解いた。
その様子にアルシュは気づき、少しだけ警戒を解いた。
「それに君がしたかったことを死ぬまでの間だけしてあげる。いいものを見せてもらったお礼ね?さぁ行きなよ。召喚獣ちゃん?」
アルシュはリュシオルとAの顔を交互に見ていると・・・。
「アルシュ。ルーチェをお願いする。ここは大丈夫だから。」
「しかし・・・。」
「早く行け!」
「・・・はい。」
ルーチェの遺体を抱きかかえて空に飛び立った。
「ちょっと待っててね。君と話す時間が欲しいから邪魔なのを片付けるよ。」
そう言うと、魔獣に向かって魔法を放っていった。
すると瞬く間に魔獣の数が減っていき、残すところ後5分の1程度になったようだ。
「これぐらいなら人間も対処できるでしょ?」
「そうだろうな。助かった。礼を言う。」
「いいよ~。さぁ。残り時間なに話す?」
しゃがみ込みリュシオルの顔を覗き込む。
「そんな近くに来られてもな・・・。」
「そっか!ごめんごめん!」
すると、急にリュシオルの傍に空から光が注いだ。




