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素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
特訓編
361/375

~360~

 一方、リュシオルは邪神との最後の決着となりそうだった。

 両方とも満身まんしん創痍そういで向き合っていた。


「せっかくKキングが用意した魔獣たちも数を減らされてしまったみたいだね。それに僕たちの決着も。」

「そうだな。もう何日戦ったか分からないぐらいだ。だが、これで決着がつくのは分かる。たとえ察し違えてもお前は倒す!」


 血まみれになりながら刀を構え、聖魔法を刀に込めていくとバルトから声がかかった。


「(主様。僕は壊れてもいいから最大の魔力を込めて欲しい。これで確実に仕留めないと。)」

「バルト・・・。分かった。お前の覚悟受け取った。」


 さらに聖魔法を注ぎ込み、刀が光る程になった。

 刀身は少し悲鳴を上げているようだった。


「大丈夫か?!」

「(う・・・食べすぎた感じになってるだけで大丈夫。それより早く・・・。)」


 すぐに意識を邪神に戻すと、目を瞑って集中しながら手に禍々しい剣を形成していた。


「こっちも最大で相手するよ。これで最後だよ。」


 にらみ合った2人は微動だにせず、合図を待っていた。

 すると、風が吹くと葉が一枚、にらみ合っている中央に落ちてきた。

 落ち切った瞬間が合図となり、両者駆け出した。


「おぉぉぉぉぉ!!!」

「くらえぇぇぇぇぇ!!!」


 勝負は一瞬だった。


「はっ!これで僕の時代が・・・がはっ!な・・・んで?」

「ごふっ・・・相打ち・・・いや俺の勝ちだな。」


 邪神の心臓部にはバルトが刺さっていた。

 そして、リュシオルのお腹にも邪神の作った黒い剣が刺さっている。


「強がりを言うね。君は死ぬのになぜ勝ちなのさ?」

「これは戦争だ。俺は兵士だが、お前はどうだ?総大将だろ?トップだろ?ならそいつを倒した俺たちの勝ち。」


 立って居れず、崩れるようにリュシオルは膝をついたが、邪神は後ろにゆっくり倒れていった。


「はは・・・この体から出れないや・・・。」

「そうだな。お前をその体から出られないようにし、生命として殺した。だからもう復活もかなわない。」

「はぁ・・・それはやられた・・・。」


 Kキングの体から出て逃れようとしたようだが、リュシオルがそうするだろうと予想し、未然に防いでいた。

 そして、倒れた邪神・・・Kキングの体は指先と足先から光の粒子になっていっていた。


「僕・・・消滅するのか・・・。なんだろう・・・心が暖かい?」


 消えかかっている邪神だがその顔はなぜか安堵を浮かべていた。


「まぁ・・・なんだ・・・俺もすぐ追いかけることになるだろうから、先に行って待ってろ。一緒に行ってやる。」

「そうだね。その傷は治らないようにしたから君も死ぬんだ・・・。じゃあ寂しくないね・・・。先に行って君を待ってるよ。」


 もう、邪神は頭を残すのみとなっていた。

 そして最後の言葉を言った後、口から徐々に消えていき、最後は何も残らなかった。


「俺はもう一仕事してからだな。」


 リュシオルは回復魔法を患部に掛け続け、重い体を起こした。



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