~35~
商団から離れて走って数分。目的の山賊のアジトの手前まで到着した。
「さて、見張りは・・・2人で奥はどうかな?《マップ》山賊の数。うん。50人しかいないからゴブリンより楽勝じゃない?」
「そうですね。少し知能があるぐらいの差ですね。まったく問題ないです。」
ルーチェにするとゴブリンと同じ扱いである。
洞窟に住んでいる時点で同じ扱いみたいだ。
「突撃する前にちょっとした作戦を立てようと思うんだけど。」
「何でしょうか?」
「大したことじゃないんだけど、新しい魔法を試そうかと思って。」
「どんな魔法ですか?」
リュシオルはこんなときもあるだろうと密かに考えてた魔法を試そうと思ったのだ。
「それは、隠蔽とか隠密に優れている魔法になると思うんだけど、試したことが無いからどうなるか分からないんだ。今試してみるから見てみてくれないかな?」
「分かりました。どうぞ。」
「なら行くよ?《カモフラージュ》。」
リュシオルが魔法を唱えると、スーッと姿が消えていき、見えなくなってしまった。
「リュシオル様?そこにいるんですか?あっ・・・気配はかろうじてありますね。喋ってみてください。」
「・・・・・・・聞こえないですね。元に戻っていただけますか?」
ルーチェの声がした後、リュシオルが今度はスーッと姿を現した。
「成功ですね。喋ることをお願いした際、喋りましたか?」
「あぁ。喋ったんだけど聞こえなかったみたいだな。」
「そうですね。聞こえないとなると不便ですね。念話は使えるのでしょうか?」
「それなら直接心に訴えることだから聞こえるはずだし、会話が出来るはずだ。じゃあ二人共に《カモフラージュ》。」
魔法を発動すると、姿が消えてそこには誰もいないようになった。
『どうだ?聞こえるか?』
『はい。聞こえます。』
『なら突撃だな。ルーチェ。あの見張りの男を倒してくれ。』
ルーチェは頷くと、エトワールを構えて風の矢を2本作り見張りの男目掛けて矢を放った。
放たれた矢はヒュンッと音をたてて見張りの2人の男の心臓に刺さり、倒れた。
『見事な狙いだね。暗殺者になれるんじゃない?』
『いやいや。リュシオル様のこの魔法がなければ無理ですよ。』
他愛もない話をしながら、洞窟の前にいる見張りの男が死んでいるか確認した。
確認した後、2人は洞窟の奥へと歩みを進めた。
『音は聞こえないはずだけど、できるだけ音が出ないようにしよう。』
『はい。』
どんどん奥に進んで行くと、広間が見えてきた。
『中々な人数が揃っているな。』
『酒盛りの最中ですね。どうしますか?』
『少し影に隠れて少し様子を見よう。』
2人は耳を澄まして、山賊の会話を聞こうとした。
「そろそろあいつらが帰ってくるんじゃないか?」
「ああ~襲撃に行ったやつらか。あいつら使えないやつらばっかりだよな?」
「そうそう。こないだも少し失敗しやがって優秀な部下何人かやっちまったもんな。」
「今回は使えないやつらばっかりで行かしたから大丈夫じゃね?」
「「「違いねぇ~」」」
ぎゃははと下品な笑い声を響かせていた。
『襲ってきたのはこいつらの仲間みたいですね。容赦無しにいけます。』
『あぁ。じゃあ寝ているやつらはさっきみたいにルーチェが片付けてくれるか?』
『もちろんです。エトワールいくよ。』
『はい。姫』
エトワールを構え、寝ている人数分の風の矢を作り出す。
一呼吸し、フッと吐いたときには矢を放ち、様々なところで寝ている山賊の心臓に吸い込まれるように刺さった。
泥酔して寝ているためかうめき声も出さずに息絶えていた。
『おぉ~これは嬉しい誤算。まったく気づかれなかったな。おかげで半分に減った。』
『そうですね。これはやりやすいです。』
『じゃあ、俺が手前からしていくからルーチェはそこから奥のやつを頼む。俺が斬って相手が気づいてから仕掛けてくれ。』
『分かりました。ご武運を。』
ルーチェの声を聞いた後、リュシオルは颯爽と駆け出し、手前の呑んでいる山賊1を背中から一突きした。
「う・・・・」
「おい。どうした?あ・・・血が・・・うわ!」
「どうしたんだ?!」
2人殺したところで奥のやつも気づき声を出し始めた。
しかし、声を出したやつからどんどんルーチェの矢で絶命していく。
広間は阿鼻叫喚になっていた。
『うるさいな。さっさと終わらせてしまおう。』
『はい。』
もう2人の無双である。
手前からどんどんリュシオルは斬っていき、まるで舞を舞っているかのように倒していき、ルーチェは音を奏でるかのように倒していく。
音が止んだころには広間にいた全ての山賊が息絶えていた。
『ここは終わったな。《マップ》まだ奥に何人かいるし、捕らえられてる人もいるみたいだ。』
『では、倒してから救出に行きますか。』
広間から離れ、奥に進んで行くと、扉が現れた。
マップではこの奥に3人いると出ていた。
多分、親玉と幹部だと予想される。
『この奥に3人いる。多分親玉とその部下であると思われる。ただ、このドアをすり抜けることが出来ないから、開けてはいることになる。』
『じゃあカモフラージュが効かないんですね。』
『ただ、そ~っと開けて、風で開いたように見せかけることが出来るかもしれないからそのままいくよ?』
そう言い、リュシオルはドアの取っ手に手をかけた。
昨日に書きあがってストックするつもりだったんですけど・・・
書いて出来たと、上書き保存のボタンを押した瞬間に・・・
全て消えましたwww
ストックできるように頑張ります!!




