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グロースファクトのメンバーが寝静まった頃、召喚獣たちは念話で会議をしていた。
「(この子達も出来るようになりましたね。魔法の師匠として誇らしいですね。)」
笑顔を浮かべながらプワソン達がいるほうを眺めた。
「(あぁ。その通りだな。だが、この戦いはまだまだ続くことになる。だからこそ我らは頑張らなければならない。)」
同じようにグルナもプワソン達の方を見ながら念話で呟いた。
「(出来るだけ減らしてきたけど、なかなか減っていかないのよね・・・。あの子達によると人間の軍がやってくるってことだけど、作戦はどうしましょうか?)」
アンブルからの提案で人間との共闘になることを踏まえ、どうやって連携をしていくかを考えなければならなかった。
「(来るのも、冒険者と聞いたが、連携は取れないだろう。)」
「(なら簡単なことだけ決めておけばいいのではないか?)」
「(そうそう!こっからここまでは守ってって言う感じにね!それだったら分かりやすいんじゃない?)」
ノワール、グルナ、ジェイドが無難な感じの案が出てきた。
しかし、その案にすぐ賛成しないのが1人いた。
「(リュシオル様の愛している世界を我らが守るのはいいと思いますが、それではだめな気がします。)」
ヴァイスが顎に手を当てながら、念話でつぶやいた。
「(どういうことだ?)」
急な意見に他の召喚獣たちも疑問に思ったのだった。
「(ここは、この世界は人間たち・・・ここに住む者の物だ。我らは彼らを手助けする・寄り添う存在だ。中心になってすべきではないと思う。)」
「(だがそれだと、犠牲が増えてしまうのではないか?!効率が悪すぎるのでは?!)」
ノワールが珍しく長く意見を言ってきた。
しかし、ヴァイスは首を横に振った。
「(何も人間たちだけに任せるわけではない。我らの存在は?寄り添う存在では?)」
「(なるほどね・・・。ヴァイスの言いたいことが分かったわ。なら、ヴァイスは後ろで、私が真ん中ってことね。)」
ヴァイスの言いたいことが分かったアンブルは、ヴァイスに賛成した。
「(そういうことか・・・。我らは寄り添う存在。ならば、できるだけ犠牲にならないように補助するのが我らの務めってことだ。)」
「(グルナ。そのとおりです。今まではリュシオル様の前進のための足止めだあったが、援軍がついた時点で話が変わってくる。共闘をすることになるだろう。それに、我らも生きている。)」
少しため息をつき、ヴァイスは体を楽に休めた。
それを見た他の召喚獣も楽な体勢を取ることにした。
「(疲れは蓄積・・・か・・・。言われてみればそうかもしれないな。どれだけ長い時を戦わなければならないかもしれないとしたら・・・。このままではまずいのもあるな。)」
「(そう言うことです。長期戦を戦うためには、共闘をってことです。)」
話がまとまり、夜番を決めてそれぞれ床に就いた。




