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そこに広がっていたのは、怪獣大戦争だった。
「これはとんでもないですわね・・・。」
この光景を目にして、少し後退ってしまっていた。
そうしている間に、リュシオルの召喚獣であるヴァイスが近づいてきた。
「なぜ来たのです?ここまで来たら巻き込まれてしまいますよ?」
「王都で討伐隊が組まれてここまで進軍しているわ。私達が先行部隊よ。」
「そうですか・・・では、私たちの討ち漏らした分をお願いしてもいいですか?さすがに全部を逃がさないようにすると効率が悪くて・・・。」
苦労していたのか、結構疲れた様子であった。
「わかった。私たちは間に入ればいいか?」
「お願いしたいですね。(応援が来ました。討ち漏らした分はリュシオル様の友人が協力してくれるそうです。)念話で伝えました。配置が完了次第、誰かの魔法を放ってください。」
頷いた後、素早くグロース・ファクトのメンバーは移動した。
そして数分後、空に向かって、ファイヤーボールが打ち上げられて本格的な戦闘がスタートした。
召喚獣たちは念話で連絡が行っていたため、後ろを気にせずの戦闘が始まったようだ。
「気を引き締めないと。後ろには行かせない。」
プワソンは大剣を構え、溢れ出てきた魔獣と接近戦で相対することとなった。
少し離れた所、エクラは圏を取り出して、自分の周りに回し始めたが、その数は10個になる。
「自分で完璧に操作できるのはここまでしかできないけど、全滅させますわ!」
手にはレイピアを持ち、圏の操作を行っていた。
「次々に出てくるのね・・・。わたしは近接しかできないけど、確実に沈めるわ。かかってらっしゃい!」
トンファーを体の前でガンっと鳴らし、迫りくる魔獣の群れに突っ込んだ。
「さて・・・。俺は燃やすとするか!」
体に炎を纏い、短剣を口に咥え、両手に短剣を持つ。
そして四つん這いになり、靴をつま先から地面にコンと当てるとカカトにも刃が出てきた。
完全な獣のようになり、唸り声を上げたリンブルは魔獣の中に突っ込んでいった。
「私は戦闘担当ではないんですよ?でも、王都が危険にさらされるのであれば、私も刃を出すしかないのです。」
そう言いながら、薙刀を構える。
構えた後、魔法を発動する。
発動したのは後ろに行かせないための光の檻である。
「さぁ・・・踊りましょうか・・・・。」
一番怖いのはレオーネではないだろうか・・・・。




