~349~
「初めましてだね。」
Kから手を抜いて近づいてきたのは・・・。
「お前は・・・ラーク・・・。」
出てきたのは、ラーク・シュバリエだった。
「この体はそんな名前なんだね。Kが用意してくれた体に入ったんだけど、よく馴染んでいい感じだ。前から闇に馴染ませておいてくれたおかげだね。」
中身はすでに入れ替わっているようだった。
あの襲撃からラークは器として組織から育てられていたようだった。
「もしかして・・・。前のアレか。」
「何かったんだ~。とりあえずこの世界の依代としてはいいものだよ。」
ラークとしてはしない顔、ニマニマした顔をしながら準備運動をしていた。
「ラークはもう死んでいるのか?」
リュシオルはどうしても確認しておきたかった・・・。
もし、叶うならラークを救いだせないかと・・・。
「ん?僕は世界に降り立つために生きている体しか使わないから、生きているよ?でも、もう心が死んじゃってるかもね~。だって、この子こんな服だから騎士目指してたんじゃない?それが邪神に取りつかれるなんてね~。実際、精神を閉ざしちゃって、この子の名前さえ分からなかったんだから。」
それを聞き、さらに怒りが湧いたようだった。
しかし、助け出せる可能性0でないことを・・・。
「ずいぶん勝手なことしてくれたようだな。だが、ここでお前を止めさせてもらう。」
「遊んでくれるんだ~。この世界は僕に優しいね!最近ずっと閉じ込められていたようなもんだから体が魔力が鈍っちゃってさ~。」
さらに激しく体を動かし、調子を整えていた。
「そろそろ遊ぼ??」
そう言うと、邪神は凄い勢いでリュシオルに近づいて顔を覗き込んできた。
とっさのことで反応できず、懐に飛び込まれてしまった。
「くっ!」
すぐに後ろの飛びのく。
邪神はニマニマしたままリュシオルを見つめていた。
「ごめんごめん!今から始めるよって言えばよかったね?じゃあ始めるよ?いい?」
「少し待ってくれ。ガルディ。戻ってくれ。」
「かしこまりました。」
そばに居たガルディを手甲に戻した。
「その子も武器の子だったんだ~。ふぅ~ん。それならすぐに壊れないからよかった~。ぼくすぐに壊しちゃうからな~。」
「そうやって世界を破壊し尽くしてきたのか?」
ニヤ~っと口元を歪め、両手を上げながら語りだした。
「だって、せっかく呼ばれてんだから楽しまないと・・・でしょ?ここの世界に来るのは何百年ぶりだろう?もっとかな?見てない間に綺麗に整ってるから、壊しがいがあるよ。」
ニマニマと破壊を楽しむ表情を浮かべていた。




