~347~
リュシオルは召喚獣が休んでいる頃も戦い続けていた。
「ははははっ!ここまで長く遊べるとは!」
まだまだ余裕があるようで、Kは大声で笑っていた。
「お前は化け物なのか?!」
その化け物と同様に戦い続けるリュシオルも化け物であった。
ガルディは手甲に宿った魂であるが、精霊に位置するため長時間戦い続けることが可能なのだが、リュシオルとKは生身の人間のはずである。
生身であるが故に、疲労は蓄積されて動きも鈍くなるものだがそれも全く感じられないでいた。
「楽しいな!」
「楽しまないでさっさと倒されてくれ!」
ドガガガガッっとまるで巨大な生物の戦っているような音が辺りに響いていたのだった。
一方、バルトの方は戦いが終わろうとしていた。
「はぁはぁ・・・・。っさすが武器に宿りし者ですわ・・・。」
Qは満身創痍で、地面にへたり込んでいた。
「本気になった僕の攻撃をかわしていた貴方にも敬意を払うよ。だけど、そろそろ主の傍に行きたいからごめんね?」
普通より・・・いや強者だったQであったが、やはり人の身。
限界を迎えてしまったようだった。
「ふふふ・・・これで終わりね・・・。」
「せめてもの情けで一思いにやってあげる。」
バルトは刀を振り上げて、一瞬で命を刈り取るようだ。
「ありがとう。やっぱりいい男ね。はぁ・・・K申し訳ありません・・・。」
「来世は、普通の子に生まれてきなよ?」
振りかぶった刀を一気に振り下ろし、首を刈り取った。
そして、急いでリュシオルの元へ急いだ。
「は~負けたな・・・。」
「いい男に負けるのは悪い気はしないわ。」
アルシュは1対2での戦いだったが、勝利をおさめていた。
「魔獣と融合したあなたたちは強かったですが、純粋なる獣の力には及ばなかったということですね。」
「そういうことだな・・・。」
「そろそろサヨナラね・・・。」
人であればすでに死んでいる殺傷の傷だが、魔獣と融合していたため生きながらえていただけだった。
鬼の男は両腕と心臓辺りがポッカリと開いており、サキュバスの女は、半身が無くなっていた。
「リュシオル様・・・。私もすぐに参ります!」
鬼の男とサキュバスの女が息を引き取ったのを確認して、その場を飛び立った。




