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敵の方も武器を構えた。
男の方は斧、女は鞭だった。
「1対2でいいのかしら?」
「いいや?2対2か3対2になるが?」
刀と手甲が光って、ガルディとバルトが出てきた。
「ほう・・・。魔武器か。しかも人型を取るとな。」
「名乗る程の者ではありませんが、主の手甲です。」
「僕が刀だよ~。」
軽く会釈をし、あいさつをする。
敵同士のため、それ以上は何もない。
「なら、そろそろ死合おうぞ。」
「私はそこの騎士の子といちゃいちゃするわ~。残りはKね~。」
リュシオルとガルディ対K。
バルト対Qとなった。
それぞれ向かい合う。
「俺を楽しませてくれよ?」
「・・・。」
言葉を発さず、睨みつけた。
風で木の葉が舞った瞬間に戦いが始まった。
まずはリュシオルが斬りかかるが、もちろんのこと受け止められてしまう。
しかし、その隙を突いてガルディが手甲を付けた手で殴りかかるがそれもあっさり躱されてしまうといった攻防が続く。
「中々早いが、それじゃあ俺は倒せぬぞ?」
「分かっている!」
「主様!」
ガルディの声の合図で、攻撃の仕方を変えた。
さっきまではリュシオルが攻撃、ガルディが防御といった形だったが、今度はリュシオルが後方からの支援・防御、ガルディが攻撃になった。
「ほう・・・。これならまだ楽しめそうだ。」
一方バルトの方はというと・・・。
「いいわ~。もっと燃えさせて~。」
「こんなことで燃えられても困るな~。っていうかこれが主の言うSMってやつ?」
サキュバスは、薄皮一枚ぐらいで攻撃を避けて、傷つくごとに頬を赤らめ・はぁはぁ言いだし、体をくねらせた。
「うぇい・・・。一撃入ったら終わりなのにな・・・。」
「そんな~。もっと楽しみましょうよ~?」
「僕は早く終わりたいから、お姉さんごめんね?」
そう言うと、バルトは目を閉じた。
「目をつぶったら何も見えないままよ?そ~れ!」
サキュバスが鞭でバルトを攻撃するが・・・。
まるで当たらなかった。
「なぜなの?!はぁっ!やぁ!」
何度も鞭を振るうが、その場から動いていないバルトに一撃も当てることが出来なかった。
「もう当たらないよ?じゃあこっちも・・・いいよね?」
微笑を浮かべ、サキュバスに向かって歩き始めた。




