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次の日、プワソン達はギルドに訪れていた。
「あの・・・お伺いしたいんですが・・・。」
「はい。何でしょうか?」
「巷で噂になっているあの噂は本当なのでしょうか?」
「・・・・お答えできません・・・。」
「なぜですか?!」
苦虫を潰したような顔をしながらそのまま受付嬢は口を閉ざしてしまった。
これ以上何も喋れないという表れだった。
「ここまで隠されるなんて・・・。そうだ!シフラさんなら・・・。」
「ギルド員の誰かが黙っている時点で無理な気がするが?」
「それは・・・そうかもしれないけど、私達、これでも結構ランク上のはずよ?それなのに情報が回ってこないなんて・・・。」
すると奥からシフラがやってきた。
「グロースファクトの皆さん・・・。」
「あ!シフラさん!ちょうど探していたところなんです。」
「!!!!こちらに来てください。」
すごく沈んだ顔をしたシフラに奥に案内され、部屋に通された。
「とりあえず座ってください。」
促されるまま席に着席した。
「皆さんが気になっているのは、高ランクの冒険者が亡くなったという噂ですね?」
「はい。名前が出ないし、悲しんでいるチームもない・・・。いったい誰が?」
「・・・・極秘事項ですが、皆さんの知っている人ですのでお教えしますが、広めぬようお願いします。」
「わたくし共が知っている冒険者なんて限られてきますわ・・・。」
シフラの話した内容で気づき始めたエクラが涙を流し始めた。
「なんで泣いているのよ?!エクラどうしちゃったの?」
「人物が絞られてしまったからですわ!」
涙声でベリエに言い返す。
「ま・・・まさか・・・。」
「そのまさかです。はっきりと確定とは聞かされていないのですが、ほぼ間違いないと・・・。」
「誰が・・・誰ですか?」
「・・・シャイン・ゴールド様・・・ルーチェ様です。」
それを聞いたグロースファクトのメンバーは・・・。
エクラとレオーネは泣き崩れ、ベリエは口を半開きで目から涙を流し、リンブルは涙を目に溜めて握りこぶしから血を流し、プワソンは手で顔を覆った。
「このことは?」
「知っているのは王城の人間・私達ギルド員、後ルーチェ様の主人であるリュシオル様、グロースファクトのメンバーになります。」
「そうですか・・・。少しメンバーだけにしてもらえますか?」
「わかりました。時間は気にしないでお使いください。」
「助かります。」
シフラが部屋を去った瞬間にプワソンの目から涙が流れた。
それから数時間が経った後、部屋からは普通に会議して出てきたような雰囲気で出てきて、ギルドを後にした。




