~338~
王都にはいつの間にかピリピリとした空気が伝わってしまっていた。
「なんか大変なことが起きたみたいよ・・・。」
「物騒な空気がヒシヒシと王城から伝わってくるけど、何があったのかしら・・・。」
「噂を知らないの?」
「高ランクの冒険者が亡くなったらしいわよ?」
「え?誰が亡くなったの?」
「それが隠されてて誰か分からいそうよ・・・。」
「それでピリピリしているのね。」
あちこちで噂が流れて、何かあったことは広まっていた。
それが、高ランクの防戦者が死んだからだと思われており、名前を明かされていないため、誰が死んだかは分からないでいた。
「王様・・・。街に噂が回っております・・・。」
「魔獣の襲来の話か?」
「いいえ。そちらでなく、高ランクの冒険者の話の方でございます。」
「そちらは仕方がない。放置せよ。ただ、魔獣襲来については出来るだけ知られることが無いように気を付けるんだぞ。」
「かしこまりました。」
宰相が退室した後、王はため息をつき視線を天井へと移した。
「それにしてもシャドーブラックはいったいどこに行ったのだ・・・?」
これから起ころうとすることに、出来ず何もできないことを悔やみながら、何か解決方法を相談したい相手が見つからず、途方に暮れるのだった。
「リュシオルが全く帰ってこないが・・・。」
「リュー君何してるのかしら?」
「ポッと何か重要な依頼で行ったのだと思います。」
「そうだろうな~。あいつは強いし依頼も多いだろうな。」
寮ではリュシオルがいないなと話になっていた。
「そう言えば、街で噂になっていること知ってる?」
街での噂話をベリエが皆に聞いた。
「知らないですわ。」
「オレも知らないけど?」
「私も詳しく知らないんだけど、高ランクの冒険者が1人亡くなったそうよ。それもおかしいのよね~。大体死んでしまうなら、チームでなら泣かしむ人がいるじゃない?そうなれば誰が亡くなったか分かるはずなのに、今回は誰も冒険者が誰か分からないのよ。」
頭を悩ませる問題だった。
「高ランクってあまりわからないんだよな~。知ってるのもリュシオルとルーチェだし・・・。後は遠くを飛び回ってる人たちだろ?」
「そうね~。この噂は王都だけって言うのが不思議なのよね~。」
ベリエの漏らした一言でプワソンが固まった。
「どういうことだ・・・?」
「え?なに?」
「王都しか出回っていないとなぜわかった?」
「だって、外から来た商人がへぇ~って言って知らないみたいだったし。商人なら外で起こったことぐらい知っているはずだし、それを売るってことも出来でしょ?」
「なるほど・・・。では、亡くなったのは王都に来ている冒険者だと断言できるな・・・。」
もう夜も遅いため、明日にギルドで聞くことにした。
2日お休みしました^^;
申し訳ありません。




