~337~
リュシオルが光に包まれた頃、王都では・・・。
「対策会議を行う。今回、冒険者ギルドと手を取り合って問題解決に力を入れる。詳細を。」
話を振られた兵士が立ち上がり、報告を始める。
「今回、敵は組織的に動いていたようで、最初の方は気づくこともできませんでしたが、最近になって活発に動き出し、学院襲撃などを行うなど、目立っています。さらに最近の報告でははるか先になりますが、魔獣を集めていると報告を受けました。」
「その場所はここからどれぐらいだ?」
「馬で3~4日かかる距離だと思られます。」
それを聞き、会議室は重い空気に包まれた。
「さらに報告がある・・・。」
「なんだ?」
ニキティスが口を開いた。
「白い虎が城の門前に来た話は知っているか?」
「報告に上がっているから皆が知っている。」
周りを見渡すと皆が頷いていた。
「あの白い虎はシャイン・ゴールドの召喚獣であることは?」
ルーチェの召喚獣だと告げた後に見渡すと、顔を青くする者・驚愕する者に分かれた。
「知っている人もいたようだ。先ほど、その白い虎が消えた。意味は分かっているな?」
「シャイン・ゴールド様の命が失われたのですね・・・。」
「あぁ・・・。そうだ。少女二人の命を救ってな。」
戦力として見ていた人間が減り、人間側は戦力が凄く減ったことになる。
「あの・・・シャドーブラック様は?」
「ひどくショックを受けて、心ここにあらずという感じだな・・・・。」
皆、そうであろうと納得していた。
少しそっとしている方がいいと判断をし、次の話題に入ることとなった。
「助けられた少女からの話になります。2人は魔獣が集まっている近くの村の村人だったようです。」
「もしかして・・・。」
「はい。人狩りが行われていたようです。」
「そうだったか・・・。なぜ発見が遅れたのだ?」
普通はそんなことがあれば、どこかのギルドに報告されて、偵察隊、もしくは討伐隊が組まれることとなるはずである。
「そのことなんですが、その場にいる人間を全て根こそぎ攫って行ってしまったようです。そして、村を訪れた人間も随時攫われてきた模様で、発見することなくことを進められてしまったようです。」
「なんてことだ・・・。」
「もしかして・・・。」
その報告を聞いた者は、顔を青くしながらこれから発せられる言葉を聞きたくなかった。
「はい・・・。全て生贄として攫われており、しかも太らせてから殺されているようです。」
「なぜ太らせる必要が?」
「儀式で使った後、魔獣の餌として使用するためです・・・・。」
聞いた者は絶句し、項垂れたりしていた。
「ならもしかして・・・。」
「はい・・・。シャインゴールド様も殺されるときは儀式で・・・になっていると思われます・・・。」
「これは時間の問題になってきたということか?」
「そのようだな・・・。普通の村人を生贄にするより、生命力あが豊富かつ高ランクの冒険者・・・いい餌になっただろうな・・・。」
「なので、もう猶予はあまり残されていないかと・・・。」
「気を引き締め、厳戒態勢に移る。」
「「「「「「「はっ!」」」」」」
その後、会議は深夜まで及んだ。




