~328~
グローリアたちは他にも買い物を済ませた後、城に戻ってきてリュシオルに会った。
「ちょうどよかったですわ。異空間屋敷に移動させてくださいな?」
「あなたもですか・・・。」
「お兄様もですね。分かりますわ~」
兄妹共に同じ行動のようだ。
「わかりました。お食事は済まされたのですか?」
「3人で人気のランチをいただきましたわ。」
「分かりました。ではどうぞ。」
アンブルも戻るようで、一緒に屋敷に行った。
しかしルーチェは残るようだった。
「ルーチェは戻らないのか?」
護衛対象は異空間に行ったので、問題はないが・・・。
「後でお願いしてもよろしいですか?少し調べたいことがありますので。」
「そうか。わかった。」
リュシオルに礼をした後、瞬時に姿を消した。
それを見届け、リュシオルも異空間屋敷に戻った。
食卓の方に行くと、王様と王妃が昼食をゆったり摂っていた。
「おぅ!頂いているぞ!」
「聞いていた通り、本当においしいですわ!」
「それはよかったです。」
本当においしいと思っているのか、パクパクと食べていた。
「ここはお気に召しましたか?」
「勿論だとも!また来てみたいと思うほどだ!」
「そうですわね。ここは人の目を気にせずゆったりと過ごせるところですわ。自分のことはドレス以外自分で出来ますし、過ごしやすいですわ。」
何と、王妃は身支度などを自分で出来るという。
「あの・・・失礼かもしれませんが、王妃様はその・・・。」
「自分で身支度できるってところね?わたくしは元々公爵家で育った公爵令嬢だったの。だけど、身支度から戦闘まであらゆることを身に着けたわ。これも我が家の王妃の教育で。」
中々なアグレッシブな教育方法である。
「そのためか。マドレが一番魅力的に映った原因は。」
「体を鍛えましたから。今も鍛えていますから戦えますわよ?」
「頼もしいまでだ。私も机に向かうだけではなく鍛えねばな。」
ここは武道国家なのだろうか?
しかし、先ほどの王の発言を聞くに他の令嬢は違うような口ぶりのようだったが・・・。
「他の令嬢は髪形・ドレス・香水に気にかけていますから。それではだめですのに。」
「そうでしたか・・・。」
少し脳筋感があるが、しかし、王妃は聡明そうな顔をしているのでそんなことはないと願いたいところだ。
王たちと話終わり、桜の元に近づいた。
「どんな感じだ?」
「はい。何とか回りそうですけど・・・少し手一杯なところで・・・。」
「やはりそうだったか・・・。こういうことをあまり想定していなかったのが仇となってしまったか。」
「申し訳ありません。私の力不足で・・・。」
「桜は悪くないよ?2人ぐらいなら余裕だったけど、4人は見ずらいよね・・・。わかった。妹か弟を作るよ。」
そう言うと、桜は表情をパァーっと輝かせていた。
「本当ですか?!それはとてもうれしいです!」
「桜はどっちがいい?」
「私の意見を聞いてくれるのですか?でしたら・・・希望なのですが、弟がいいです。」
「理由を聞いてもいいかな?」
「男性のお客様のことをするのに、私だけではサポートしきれない部分が出てきまて・・・。」
「そうか・・・わかった。出来るだけ早くするよ。」
そう言うとすぐにリュシオルは作業場に姿を消した。
桜の弟が?!




