~321~
待っていると、次々と番号が呼ばれていく。
「本当に効率がいいな。これならそんなに待たずに食べれそうだ。」
「そう言ってもらえたら、やった甲斐がありました。」
すると、番号を呼ばれた。
「おっ!呼ばれたようだ。取りに行こうではないか。」
「いい匂いがしていてお腹が死にそうだ・・・。」
その言葉にくっくっくと笑い声が聞こえた。
アキードの声だ。
「食べ盛りの様だな・・・。」
「う・・・そうなんですよ・・・。」
「なんとなく察しているから気にしなくても良い。」
にっこりとアキードが微笑んだ。
皆で出来立ての料理を取りに行き、席に運んだ後に少し小さめの声でアキードにプワソンが話しかけた。
「(バレているのか・・・。)出来るだけ内緒にしていただきたい。」
「詳しくは分かっていないから気にするでない。では、このおいしそうな匂いを発している昼食を食べようではないか。」
リュシオルも料理を持ってきて、一緒に食べることに。
食べ始めると、プワソン達はいつもの味に近いなと食べ進めていくが、アキードは最初の一口を食べた後、固まってしまった。
「どうしたのですか?料理が覚めてしまいますよ?」
アキードが止まっていることに気が付いたレオーネが声を掛けた。
「あ・・・ぁ・・・。」
言葉にならない声が聞こえた後、涙を流し始めた。
「い・・・如何なさいましたの?涙を流されるなんて・・・。」
「こんなにおいしい物・・・食べたの初めてだ・・・。」
「そんなことないでしょうに・・・。」
「そんなことはない!ここの料理が劇的に変わった!!」
その言葉に周りの兵士も涙を流しながらウンウンとこちらを見ながら首を縦に振っていた。
「お気に召しましたでしょうか?」
「あんたが神か・・・。」
「いえ。執事でございます。」
華麗な礼でサラッと訂正した。
「あの方がここを?」
「まさか・・・。ここまで変えてくださるとは・・・。」
「これなら毎日通いたい・・・。」
「うまい!うますぎる!!」
さらに涙を流しながら食べ始めた。
アキードも涙を流しながら、一口一口噛みしめるように食べていた。
「これからもこの味が続くと思いますので、ご心配は無用でございます。」
「これから毎日・・・・。」
「指導も今日と明日で仕上げますので。問題ないかと。わたくしはこれにて失礼します。」
少しだけ顔通しをし、すぐに調理場に戻って行った。
ガルディが帰って行った後、調理場がピリピリしていたようだったが・・・。
短めです・・・。




