~320~
食堂に案内されると、大きな体をしたアキードが立ち止まってしまった。
「これは・・・。どういうことだ?」
ドアの前で立ち尽くされると案外何も見えないのだ。
「アキード殿・・・。そこで立ち尽くされると私どもが入れないのだが・・・。」
「これは申し訳ない。」
「それで、どうしてここで立ち尽くされたのです?」
あまりに驚いているようだったので、聞くことにした。
「いや・・・。前まではここはオンボロの感じで、汚いイメージだったのだが・・・今は白を基調とした清潔感溢れる食堂に変わっていたので驚いてしまったようだ。」
「そうなんですか・・・。でも、これは予想範囲内ですね。」
「予想されていたことなのか?!」
「自分の主人が食事を取るかもしれない所を汚いままで残しているはずがないですね。」
うんうんと頷き合っていた。
「良い仕事をされたってことだな。では早速食べさせてもらうとするか。」
中に入って行くと、カウンターから女の子が顔を出していた。
「お料理は決まりましたか?」
「え・・・あっ・・・じゃあオススメで。」
アキードはまさかと思ったが、女の子から声を掛けられてしまってメニューを見てなかったため慌てて決めることとなった。
「俺はハンバーグ定食で。」
「わたくしはパスタセットでお願いいたしますわ。」
「私も同じので。」
「私もなので合計パスタセットは3つです。ブレイドはどうしますか?」
「わたしはアキード殿と一緒でオススメにしよう。」
全員のオーダーを聞き、女の子はスラスラと復唱した。
「ご注文はオススメ定食2つ・ハンバーグ定食・パスタセット3つですね。」
あっさり覚えており、調理場に伝えると番号札を渡された。
「出来ましたしたら番号でお呼びしますので席に着いてお待ちください。」
言われた通り、席に着いて待っていることにする。
「注文する形式も変わったし、カウンターで待っている必要がない・・・。画期的だ。」
「上手く考えましたね・・・。」
「どう?これならうまくいきそうでしょ?」
「「「「「「シャドーブラック(殿)」」」」」」
いきなりリュシオルが現れてびっくりしてしまったようだ。
「驚かすつもりはなかったんだけど・・・。それでどう思う?この形式。」
「これはいいな・・・。配膳する必要がなくなった分、人出が少なく出来るな・・・。さらに待たすのが席になるから喋りながら待つことが出来る?」
「そうだね。配膳に人を割かなくていいから調理に人手を回すことが出来るし、そうすることによって作る料理を担当別に分けることが出来るんだ。」
それを聞いたアキードから感嘆の声が上がっていた。
飯テロ前!w




