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頼んできた友人が、前に進み出た。
「おまえ・・・。なんでそんなに目が赤いんだ?」
「うるせ~!お前が・・・お前が死んじまうかと・・・。でもよかった・・・。」
心配で流して涙から、うれし涙に変わっていたようだったが、目が真っ赤っかになっていた。
涙は依然、流していたがそのことには触れないでいたようだ。
「説明もそうだが、そう言えば、カルモは?」
同じように大怪我してしまった同僚を探した。
「隣でウブリ最高治癒士が治療してくださっている。もうすぐ終わると思われるが・・・。ジョワ・・・お前もう大丈夫なのか?」
「あぁ。天使様のおかげで前より体の調子がいいかもしれない。」
「本当にありがとうございました。」
2人揃って頭を下げた。
「いいえ。私ではなく、友人の方にお礼を言ってください。私も友人の方がここに連れてこなければあなたを治療することはできません。勝負だとしていましたが、人命が掛かっていましたので早急に且つ完璧に治しましたので、本当に現役で兵士を続けれますよ?」
その言葉を聞き、ジョワは大粒の涙を流した。
「確かに体の調子はいいが、もう思うように動かないと思っていたけど、天使様は本当に治したとおっしゃる・・・。感謝してもしきれないぐらいです。本当にありがとうございます!」
「よかったな・・・。」
「ふぅ・・・・。私の方も治療が終わりました・・・。」
ウブリの方も治療が終了したようだ。
「私の方の治療を代わって貰えないでしょうか?危機は脱しましたが、完璧に治せないようです。私の完敗です・・・。お願いします・・・。」
「分かりました。では引き継ぎます。」
ウブリから引き継ぎ、治療をした。
「それでは〖スキャン〗中々綺麗に治せてますが、筋組織の結合がうまくいっていませんね〖リカバリー〗後は・・・ここに持病があるみたいなのでこれも〖レスタレイション〗治療完了です。」
レオーネの手腕を見て、ウブリは感嘆していた。
「さすが天使と言われるだけあります。」
「私には過ぎた名前です。ですが、仲間のため人のためになるなら喜んでこの力を使いましょう。」
ますますレオーネが天使に近づいてきたように思える。
ウブリはこの後師事してもらえるようレオーネに約束を取り付けて自陣に帰って行った。
治療したジョアとカルモは1日は安静にということで、寮の方に運ばれていった。
「この勝負に関してはこちらが全く及ばないことがわかった。そして、先ほど話をしていたようだが、ウブリ最高治療士をブラン・アンジュ殿にお任したい。」
その言葉にレオーネは頭を軽く下げた。




