~315~
気落ちしたベリエが自陣に到着したとたんに、へたりとその場に座った。
「ベリエちゃん大丈夫?」
思わず座ったようである。
「ちょっと疲れただけ・・・。それにしてもあいつ凄いわ・・・。」
「手合わせしてどうだった?」
プワソンは手ごたえを聞き出した。
今後の資料にするためだろう。
「うん・・・。リュシオルには全く届かないって感じだけど、近しいものがあるわ。それも何か仕掛けがありそうな感じ。」
「特殊部隊と言われているだけはあるってことだな。」
顎に手を当てて、深く思考に入るようだった。
「次は誰だ?」
「私です。しかし、戦闘は得意ではありませんが・・・。それでもよろしいですか?」
「君はそのチームでどれぐらいだ?」
「ん~戦闘力なら一番弱いですね。ですが、治癒・強化などの補助は誰よりも勝っています。」
その答えを聞き、騎士団長は少し考えて答えを出した。
「では、同じような怪我をした者を治癒するというのはどうだろう?しかしその勝負では、最高の者を用意することになるが・・・。」
「構いません。受けて立ちます。」
そう言うとレオーネは前に進み出た。
すると、兵士から、おぉ~と感嘆の声が上がった。
「あれって天使じゃないのか?」
「あぁ・・・。たぶんそうだろう。俺の母ちゃんも世話になったらしい。」
「それにしても、純白で羽が生えているみたいなベール・・・ひらひらとしたあの綺麗な服。あれ・・・汚れることがないらしいぜ?」
「そうなのか?!あれだけ白かったらすぐに汚れそうなんだが・・・。」
色々な噂話が広まっているようだ。
「中々有名なのだな。ではこちらからは最高の治癒士を呼ぶことにする。」
少し待って出てきたのは、30代ぐらいの男性である。
「こんにちは。私がここの最高治癒士の地位についているウブリです。」
「私は白の天使と言います。」
「やはり、噂の天使さんでしたか。」
「私は大したことないですよ?それでは、患者さんをお願いします。」
怪我をしている人がいると聞いて、レオーネは早く治してあげたかったために、すぐに始めるように言った。
「そうですよね・・・。ではまずは軽傷の人からです。同じように足を怪我していて、足を引きずっている状態です。」
足を引きずりながら、中央に来てくれた。
椅子が用意されて、そこに腰かけてからスタートとなった。
「痛かったですよね・・・。すぐに治しますね。〖ヒール〗。」
「私も。彼の傷を癒したまえ〖ヒール〗。」
見比べていると、レオーネの方が遅かった。
「これぐらいの傷を治すのにあまり時間を掛けていては戦闘では困りますよ?」
「そうですが、この方がいいんですよ?これは後々に。」
「はぁ・・・。わかりました。では次の方です。腱が引き千切られてしまった方です。」
「可哀想に・・・。」
肩を抱えられて、入場してきた兵士。
城勤めではなく、遠くからここに治療に来たという。
「では、私から。彼の者を治したまえ〖キュア〗。」
「可哀想に・・・。これは完璧に治しますね。〖リカバリー〗腱を修復〖キュア〗筋組織を回復。これでもう走れますよ。」
何と、治した途端に走れるほどだという。
そのことにウブリは驚愕した。
レオーネ無双続きますが・・・。
たぶん明日は投稿お休みすることになります・・・。




