~313~
中央に来たベリエと兵士は挨拶をすることとなった。
「では、改めて!オレっちは特殊部隊のライゼ。」
「私は緑の突風よ。」
とりあえず、前の組と同じように自己紹介をする。
「おっ!結構イカス名前だね!ヴェールちゃんって呼ぶね~。」
「・・・お好きにどうぞ。」
「双方良いか?」
へらへらするライゼに少し注意をしながら、騎士団長は確認を取る。
一方ベリエは、真剣な表情で頷いた。
ただ、仮面があるためあまりよくわからない状態だが・・・。
「では、始め!」
開始の合図がなされたが、ベリエは武器を構えていなかった。
「おいおい!武器は無しかい?体に傷がついちゃうよ?」
「そうかしら?なら武器を出した方がいいか・・・。」
そう言うと、腰につけていたトンファーを取り出した。
初めは剣だと思っていたライゼが、形を見てびっくりしていた。
「それが武器?武器に見えないけど大丈夫?」
「心配には及ばないわ。これは、十分武器よ。」
それを証明するように、トンファー同士をコンコンと叩いて金属音を鳴らした。
ベリエはトンファーを肘の下に来るように持ち、ファイティングポーズを取った。
その後、2人は向かい合ったまま微動だにしなかったが、そよ風が流れた瞬間動いた。
まずは、ベリエがトンファーで殴りかかるが、ヌルっと躱されてしまった。
「なにその動き・・・。気持ち悪いわ・・・。」
あまりにも軟体動物のような動きをしたため、ベリエは心底から気持ち悪がった。
「え~。ただ単に体が柔らかいだけだよ~。それより、ヴェールちゃんいい体してるね~。すごいタイプ!」
気持ち悪いと思ってたところで変態発言。
思わず、鳥肌が立ってベリエは自分で体を抱きしめてしまった。
「軽い男は嫌いよ?」
「オレっちすごく一途だよ?いい物件だよ?」
「それより、勝負しないの?」
「え~。女の子相手は殴れないよ~。」
自分から出てきておいて、そんなことを言うライゼ。
「おい!それなら俺と代われ!」
「そうだな。選手交代するか?」
勝負だというのに戦わないライゼを見て、野次が飛びかっていた。
外野から、交代しろという声が上がったが、ライゼは代わろうとする気は無いようだ。
「嫌だね!オレっちはこの子ともっといたいんだ!」
このままじゃ埒が明かなそうなので、自分を削った提案をベリエは出した。
「・・・そう・・・なら、あなたが勝ったら1日デートしてもいいわよ?ただし、負けたらどうしようかしら?後で考えてもいいかしら?」
勝つしかない状況になってしまったが、これで勝負が出来ると思った・・・。
「OK!いいよ!それ乗った!だけど、俺の勝利の条件は、ヴェールちゃんに抱きつく・・・ね?」
「いいわ。その条件で。私は普通でいいんでしょ?」
「うぃうぃ!それでいいよ~。オレっち役得だから。じゃあ・・・ここから勝負ね?」
目を爛々《らんらん》とさせたライゼが、軽く準備運動をして本当の勝負が始まった。
昨日は投稿できず申し訳ありません・・・。




