~311~
練習場に案内してもらうと、そこにはたくさんの兵士が整列して待ち受けていた。
「ようこそ我が精鋭の練習場へ。」
「今日から2日間お世話になります。」
「それでは早速・・・。個人個人の実力を見たいのだが、いいだろうか?」
プワソンは頷き、提案を飲んだ。
「それでは誰から?」
「私から行きますわ。」
エクラが前に進み出た。
エクラは細い剣を胸の前に立てた。
「騎士か・・・。分かったでは、女性だからお前が行け。」
声を掛けられた騎士が前に出てきた。
「女性相手とか・・・。あまり傷を付けたくないな。」
「あら?気にしなくてもよろしいですわ。最高の癒し手がいますもの。」
エクラはレオーネの方を向いた。
それに気づいたレオーネは深く礼をした。
「そうか。では名乗らせてもらう。私は、第2隊のホズンだ。」
「わたくしは、青の舞姫と申しますわ。」
「青の姫ね。よろしく。」
中央に出て、礼をした後、構えた。
「それでは始め!」
騎士隊長の声と共に始まった。
開始の合図とともに、2人は駆け出した。
すぐに剣と剣がぶつかる。
「ぐっ!中々力がありますね。」
「え?身体強化をしているのですわ。そんなの当たり前ですわ。」
「中々の実力なのだな。では私も。」
ホズンも自然に身体強化魔法をかけた。
その瞬間に、エクラは相手の剣を跳ね飛ばし、距離を取った。
「賢明な判断ですね。身体強化かけたら力の差は逆転する。」
「それはどうかしら?〖セカンド〗」
魔法語をつぶやいた後、エクラはニヤリと笑った瞬間消えた。
「消えただと?」
辺りをキョロキョロしたが、エクラの姿を発見することが出来なかった。
「どこを見ていますの?ここですわ。」
背後から剣を首元に添えた。。
「これは完敗だ。負けました。」
「はい。では、開放して差し上げますわ。」
スッと離れた後、握手をしてその後・・・。
「どういうことですの?」
「ご無礼をお許しください。あまりにもあなたが素敵だったもので。」
「そう・・・。なら仕方ありませんわ。ですが、求婚するならわたくしより強くなくては・・・ですわよ?」
握手をした手を持ち直して、手の指を持つようにし、膝をついて手の甲にキスを落としたホズン。
しかし、そういうことに慣れているエクラは、難なく躱すのだった。
第1試合はエクラの大勝利になった。
「それでは次は誰が相手だ?」
「今度は俺が出るぜ!」
前に出たのはリンブルである。




