表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
特訓編
305/375

~304~

「それでは、代表者2名と対戦ですね。」

「第1隊長と第2隊長がこちらから出る。そちらはその2匹か?」


 じろりと睨みながら第1隊長が憎々しげに言ってきた。


「そうですね。この状態では戦いにくいですか?」

「こちらは対人戦を望んでいたのだが、まさか獣と戦わされるとはな!」


 嘲笑あざわらい兵士全員が笑った。


「言わせておけばですね。」

「やっちゃうよ~!」


 アルシュとジェイドは自分たちが馬鹿にされるのはいいが、リュシオルが馬鹿にされたと思い激しく怒りをあらわにした。


「喋る獣とは珍しいが、我が隊長の召喚獣も喋れるから問題ないな。」

「そうだ!喋るぐらいの獣を護衛につけようとしているシャドーブラックは馬鹿じゃないのか?」


 その言葉を聞いたアルシュとジェイドはブチキレてしまった。


「半殺しでも構いませんか?」

「9割殺しでいいよね?生きていたら何とかなるし。」

「2人共・・・・。」


 ブチキレた2匹を見ても、兵士たちはさらに声高々に笑い出した。


「9割殺し?馬鹿じゃないのか?第1隊長に勝てるとでも思ってるんだ~。」

「頭の中お花畑ですね~。」

「もうやめないか。事実を突きつけるのはこれ以上は可哀想だ。手加減してやるから問題ないぞ。」

「さすが隊長優し~!」


 ぎゃははと笑いながら、無防備に立った。

 王は、眉間に指を当て、やれやれと首を振っていた。


「双方。最初に手合わせをする者前に出よ。」

「まずは俺ですかね?」


 相手は第2隊長が出てきた。


「そっちはどっちが出るんだ?何なら弱い奴でもいいぜ?」


 第2隊長がジェイドに指を向けてクイクイと挑発した。


「なら僕が相手だ。」

「鳥相手か~。飛んでくるからやりにくいな~。構わないけど。」

「鳥はいや?じゃあこれで戦うよ。」


 怒っていたジェイドは出てきた時と同じように緑色の風をまとい、風が消えると人型になっていた。

 それを見た兵士たちは口をポカンと開けていた。


「これなら問題でしょ?」

「あぁ・・・。問題ない!姿を変えようとも、実力はこちらが上だ!」

「では、始め!!」


 一瞬びっくりしていたが、武器を構え直し、開始の合図が王より出された。

 しかし・・・。


「はっ?」

「もう僕の勝ちだけど、どうする?」


 開始の合図が聞こえた後、ものすごいスピードで第2隊長の後ろに回り、首に手刀しゅとうを突き付けた。


「何をした!」

「何って・・・。ただ走って君の後ろに回っただけだけど?逆に何なの?弱すぎるよ~。」

「ばかにするな!もう一度だ!」

「え~。もう決まったじゃん。興が削がれたんだけど~。」


 ジェイドは手を放し、リュシオルのとこにトコトコ戻っていっていた。


「シャドーブラックよ。申し訳ないが、もう一度戦わせてやってくれないか?」

「そう言われましても・・・。」


 ちらりとジェイドの方を見ると、ぶぅ~垂れていた。


「ジェイド殿。もう一度戦ってやってくれないか?」

「王様が言うんだったら仕方ないね~。もっとスピードを落とすよ・・・。」

「すまぬな。」

「陛下!そんなものに頭を下げないでください!」

「馬鹿者!お主が負けた時点で、こちらは敗者だ!なのに、駄々をこねたのを我が通してやったのだぞ!」

「申し訳ありません・・・。」


 少し、シュンっとして礼をしていた。


「これ以上恥をかくわけにいかない!今度は、最初から全力で行く!」

「どうぞ~。僕から攻撃しないことにするよ。」

「舐めやがって!」


 開始の合図無しに、第2隊長は突っ込んでジェイドに向かって剣を振りおろした。

 しかし、次の瞬間には剣はジェイドの指の間に挟まっていた。


「これで全力?」

「くっ!離せ!」

「ほいっと。」


 ジェイドは後ろに向かって、剣を離すと第2隊長はそのまま後ろに転がっていってしまった。


「離してって言ったから離したのに~転がることないでしょ?」

「今度こそ!」


 すぐに立ち上がった第2隊長は、またジェイドに斬りかかった。

 次は、受け止めず薄皮一枚ぐらいの距離で全て避けていっていた。

 あくび付きで。


「はぁはぁ・・・。当たらない・・・。」

「分かった?君では僕を傷一つ、つけることはできないんだよ。」

「そんな・・・・。」


 剣を落とし、膝を着いた。


「勝者、ジェイド殿。」


 ジェイドは華麗な騎士礼をしてリュシオルの所に下がった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ