~287~
紅茶を飲んで待っていると、すぐにギルドマスターが帰ってきた。
「お待たせしました。」
「意外に早いですね。結局どうなったんです?」
「だめだったのだろうか?」
クラルは意外に早く帰ってきたことにより、ダメだったと思ったらしい。
「案外早く決着付きました。結論は、カードを発行しても良いということになりました。」
「え?いいのか?」
「はい。3人のギルドマスターと王より許可が出ましたので。」
「父上が・・・。」
意外にも王が出てきて進言していたようだった。
「ではわたくしにも発行してくださるの?」
「はい。王女様。」
王女にも許可が出たようだった。
「それで?もしかしてだけど・・・。」
リュシオルはなんとなく察し、問いかけると・・・。
「お察しの通りですね。クエストもと。報酬は追加でということだ。」
「はいはい。分かりましたよ。」
「え?何の話です?」
マスターとリュシオルの間のやり取りに疑問を持ち、王女が質問をしてきた。
「説明させていただきますと、登録をして、依頼も受けることが出来るということです。」
「え?私たちでは無理なのでは?」
「もしかして、シャドーブラックが?」
「そのもしかしてです。付き添いでならと許可が出ましたよ。」
それを聞いた瞬間、クラルとグローリアはハイタッチをしていた。
「では、鍛錬した成果を試せるのか?」
「国のためになるのですか?」
「それはお心次第ですよ。それに依頼は何も討伐ばかりではありません。家のお手伝いや、ちょっとしたお手伝いまであります。」
「そうなのか・・・。」
「奥が深いのですね。」
うんうんと頷いて説明を聞き入る。
それから、カードを作るための手続きを始めた。
ギルドの説明を受け、その後、カードを発行してもらうまで、話をすることに。
「クラル様はなぜ冒険者に憧れたのですか?」
「話をすると、恥ずかしいのだが本で読んで・・・な。」
「なるほど。冒険ものを読んでってことですね。」
少し照れながら、話をしてくれた。
「男の子の憧れですもんね。」
「カードが出来ましたよ!!」
話をしているところをぶった切ってシフラが入ってきた。
「中々なぶった切り方だな。」
「そんな褒められても~。」
シフラはクネクネしながら答えた。
周りが白い目で見ているにも関わらずである。
「それではこれがカードになります。ご確認ください。」
手渡されたカードを見てみる2人。
しかし、不思議そうに見ていた。
「これ・・・違いますわ・・・。」
グローリアはカードを見て、つぶやいた。




