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ベリエが戻ってくると、服が変わっていた。
ふんわりワンピースに、可愛い帽子を下げ、ポシェットと肩から掛けていた。
「ど・・・どうかしら?」
「ベリエちゃん可愛い!」
「あら・・・そんな服持っていましたの?」
「この間、ギルドでお世話になっているお姉さんに買ってもらったのよ。」
ギルドのアイドルのベリエは色々と貢いでもらっているようだった。
「可愛い服ですわ!わたくしも欲しいです。」
「じゃあ、買いに行きましょう?」
「お店を知っていますの?」
「もちろん!」
手を合わせてキャッキャしているグローリアとベリエを見て、クラルは目を細めていた。
「グローリアが素直な笑顔で・・・。」
「どうかされました?」
「いいや。何でもない。グローリアが楽しいのならどこでも行こうか。」
ぼそりとクラルがつぶやいたが、リュシオルは聞き取れず、話はそれ以上進まなかった。
「行きますわよ!お兄様!」
「あぁ。行こう。」
リュシオル・ベリエ・クラル・グローリアは街に出かけた。
部屋の中では・・・。
「まるで姉妹みたいでしたね。」
「そうだな・・・。生きていたらあんなふうになっていたのかもしれないな・・・。」
「それは・・・。」
「何の話ですの?」
「すまん・・・これは本人の口から聞いてほしい。」
レオーネとリンブルはその後、口を閉ざしてベリエについて語らなかった。
「それより、この後どうしますの?」
「私たちも出掛けないか?なんならクエストでもしないか?」
「そうですね・・・。体を動かしましょうか。」
「じゃあ、肉集めしようぜ。」
「孤児院に・・・ですか?」
「その方が、有意義だろ?それに今は売れに売れてる大型新人のグロース・ファクトだぜ?」
「ギルド格好の方が喜びますね!」
話の話題を変えて、ギルド活動をすることにしたようだ。
一方出掛けたリュシオルたちは、女の子の服屋に来ていた。
「ここがオススメされた服屋よ。」
「中々可愛い服が多いですわ!軽くて動きやすそうです~。こういう服が着てみたかったの。」
グローリアはすごく嬉しそうに1つ1つ手に取り、体に合わせたりして楽しんでいた。
「いらっしゃいませ。こちらには初めてですか?」
「わたくしは初めてですわ。ですが、友達がここで購入して可愛いって聞いたもので連れてきてもらったのです。」
グローリアがベリエの肩を持って定員の前に連れてきた。
「あ!お客様はこの間、ギルドの人と来ていただいた・・・。その時買っていただいた服ですね。」
「はい!可愛かったのでさっそく着てみました。」
少し照れながらも、返事を返した。」
「大変お似合いでございます。では、今日はこちらのお客様をコーディネートということでよろしいでしょうか?」
「はい。よろしくお願いします。」
「これは腕が鳴る素材ですね。少々お待ちいただいてよろしいですか?」
店員は前から後ろから斜めからとグローリアを観察した後、奥の方に引っ込んでしまった。
「あれ?店に並んでいる商品を出さないのかな?」
「確かに・・・私の時は店に並んでいる服を出してくれたんだけど・・・。」
するとすぐに店員が戻ってきた。
「急に奥に行ってしまってすいません。お客様に似合う服はこれだ!っと思い取りに行ってしまいました。ぜひご覧ください。」
店員の持ってきた服はグラデーションの入ったワンピースだった。
上が薄い黄色で、下に行くと少しずつ濃いくなっていた。
「こちらは新作で、お客様にぴったりと思いまして。」
「これは新鮮ですわ!ぜひ購入させていただきます!」
「かしこまりました。後・・・こちらもおすすめなのですが・・・。」
「どれですか?」
店員の出してくる服や小物をベリエと吟味しながら、買い物をするのだった。




