~282~
お風呂をダッシュして入ってきたルーチェは改めて王女と相対した。
「先ほどは汚い格好で申し訳ありませんでした。」
「じゃあ、仕切り直しですね。改めて友達になっていただけますか?」
手を差し出し、ルーチェに握手を求めた。
ルーチェはすぐに手を握り、握手をした。
「こちらこそよろしくお願いします。」
「えぇ。あら?ルーチェもいい匂いがしますわ。」
「はい。これもリュシオル様からです。」
「これは何の匂いかしら?」
「これは、向日葵という花からだそうです。」
「向日葵・・・聞いたことがありませんわ・・・。」
聞いたことのない花に困惑した。
「リュシオル様いいですか?」
「これが向日葵ですよ。」
地球でおなじみの向日葵である
「これは・・・東の方で取れると言われている花ではないでしょうか?」
「見たことあるのですか?」
「えぇ。貴族から貰った絵画に書いてあるのを見たことありますわ。」
「そうなのですね。私の匂いはこの向日葵なのです。」
「いい匂いですわ。」
「きゃっ!!」
がばっと抱きつき、クンクンと匂いを嗅いだ。
「ひゃんっ!」
「いい匂いですわ・・・。」
びっくりして、可愛い声が出てしまった。
「可愛いですわ!リュシオル!この子頂戴!」
「だめです。ルーチェは私のです。」
「ケチです。」
「ケチじゃありません。」
頬を膨らませて、ぶーたれていた。
「ルーチェは物ではないから駄目よ。」
「そうですよね・・・。可愛いは正義です。諦めます。」
「そろそろ遅いから寝ようぜ。」
「そうですわ。寝ましょう。」
女の子たち(グローリアを除く)は部屋に帰って行った。
「私たちも休ませてもらいたい。」
「そうですね。お願いします。」
王子と王女を異空間の屋敷に桜が案内した。
「では、また明日。」
「おやすみなさいですわ。」
お休みの挨拶をして、わかれた。
「おれ達も寝よう。」
「そうだね。また明日。」
リュシオルたちも部屋に入った。
「今日は色々あったな・・・。」
「そうですね。紅茶をどうぞ。」
「ありがとうバルト。」
紅茶を飲みながら、物思いにふけっていたのだった。




