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無事に帰ってきた会を行うことになり、部屋はパーティーになっていた。
レオーネが作ってきただけでは足りないと思っていると、スッとバルトが現れた。
「これじゃあ足りないですね。さらに追加しましょう。」
「バルトありがとう。」
「当然のことです。では席を離れます。」
滑らかな動きで調理場に行って作り始めた。
「もぐもぐ。そう言えばルーチェは?」
「ルーチェもみんなと同じようにアジトの捜索に出ているよ。」
「そうなんだ・・・もしかして遠くの方?」
「独自のルートで調べたところだと思う。シャインもついて行っているから問題ないよ。」
「そっか。先にお疲れさま会しちゃったからまたしないとね?」
優しいレオーネは、ルーチェが帰ってきたらまたしようと声をかけていた。
「ルーチェにご馳走用意してあげないとな。」
「確か肉が好きでしたね。」
「そうそう。女の子なのにがっつりした肉が好きだもんね。」
ルーチェの噂をしていると、噂の本人が帰ってきた。
「ただいま帰りました・・・。」
「噂をすればなんとやら、おかえり~。」
「はい・・・。あれ?その方々は?」
見慣れない人を見て、可愛く首をかしげていた。
「覚えて貰えてなかったみたいだ・・・。」
「すいません。リュシオル様一筋なので・・・。」
「そこまではっきり言われると落ち込みますわ・・・。」
王子と王女のHPは0に近かった。
「ルーチェこの方々が王子様と王女様だ。」
「!!!これは申し訳ありません!」
ジャンピング土下座をし、額を勢いよく床につけた。
「構いません。それだけ印象がなかったのでしょう。」
「本当に申し訳ありませんでした。」
悲しそうな顔をしていたグローリアだったが、いいことを思いついた顔をした。
「そうですわ!では、罰を与えます。」
急に処罰する話になり、リュシオルは顔が引きつった。
「どうか!どうかリュシオル様は関係ありませんのでお許しを!」
「いいえ。リュシオルもです。」
「そ・・・そんな・・・・。」
ルーチェは絶望してしまった。
まさかこんなのことになるとはと思っていたら、ルーチェは予想していなかった言葉が飛び出した。
「罰は、わたくしとお友達になることです!」
「へ?」
「だから、わたくしとお友達になるのです。そしてガールズトークやおすすめのお店に行くのです!」
「そ・・・それでいいのですか?」
「そうですわ。」
ポカンとした顔をしながら、なんとか声を絞り出した。
「グローリア。いたずらは相手の心臓に悪いことをするな。」
「お兄様・・・申し訳ありません。」
「申し訳なかった。許してほしい。」
クラルに頭を下げられて、おろおろするルーチェ。
「ほら、お兄様も困らせていますわ。」
「申し訳ない・・・。」
また頭を下げられ、混沌としだしたのでリュシオルが間に入った。
「分かりました。では、友人ということでこれから仲良くしましょう。ほら、ルーチェも。」
「はい。よろしくお願いします。」
「よろしくですわ!」
リュシオルとグローリアは握手をして、上手く終わらすことに成功した。
ルーチェは手を引っ込めた。
「どうしましたの?」
「魔法で綺麗にしてはいたのですが・・・。たぶん帰宅したてで汚いので・・・。」
「分かりましたわ。では、入浴後にいたしましょう。」
「申し訳ありません。すぐに入ってきます!」
慌てて、お風呂に駆け込んで行った。




