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さらに先に進むと、煌びやかな門が現れた。
「なんだか入りたくないわね・・・。」
「右に同じく。嫌な予感がして寒気が・・・。」
「でもわかりやすいな。」
あまりにもあからさま過ぎて、開けるのを躊躇うのだった。
「でもこれがゴールだから仕方がない。」
「じゃあ、開けるとしますか。」
リンブルがドアに手をかけて開け放った。
「「おめでと~!!」」
現れたのは、フードを顔を認識できないぐらい深くまで被っている双子だった。
「迷路のゴールだよ~。」
「道はここで終わり~。」
「「だけど・・・。」」
「最後の試練だよ~。」
「身体鈍っちゃったかな?」
「歩いてばかりだったもんね。ここらで運動しよう!」
声を聴くと、ツインズのようだった。
「今まで歩かせた挙句、今度は運動だって?」
「「嫌ならチケットあげない。」」
リンブルが少し怒気を出して言うと、ツインズが気分を少し害したのか上げないと言い出した。
「・・・わかった。運動しよう。」
「プワソン?」
もちろんそれは困るので、プワソンはすぐにツインズの要求を呑むことにした。
「情報を手に入れるのが目的だ。相手に遊び心があるのなら、それも利用すればいい・・・。」
「そうよ・・・。ここは相手に乗る方がいいわ。」
「今までの迷路からそこまで残虐性はないと判断されますが、用心はするべきです。」
仲間内でヒソヒソ声にて確認をした。
「じゃあ、どうしようかな~?」
「そうだね~。あ!!あれがいいんじゃない?」
「あれって?」
「あれだよあれ!ちょっと前に作った!」
「あれか!あれならちょうど運動になるね。」
「「ということで!」」
「この子と遊んで勝ったらOK。」
「君たちが立てなくなったら終りね?」
そう言って召喚されたのは、顔は人間の女性顔、髪の毛は蛇、首から下で胸から上がライオンの体と腕、下半身はドラゴン、尻尾は馬であった。
「この子は作りたてなの!」
「こないだ生まれたばかり!」
「つい1週間前まで小さかったけど、今はこんなに大きく成長したの。」
「博士が手伝ってくれたから作れたんだよね~。」
「博士凄い!」
「そして、この子は草食だけど・・・ちょっと凶暴なんだよね~。」
「力が強いからかな?」
「なんでだろうね?」
本気で悩むポーズをしているツインズを眺めるキメラ。
主人からの命令を待っているようだった。
「まぁいっか!とりあえず、死なないように頑張ってね~。」
「この子がうっかり殺してしまうかもしれないから気を付けてね~。」
「じゃあ、チケットはこの子の首に付けとくから頑張って取ってね。」
「チケットが取れたら終了!この子も消えま~す。」
「「じゃあ・・・。よ~いすた~と!」」
開始の合図を言った瞬間に、ツインズは上に浮き上がった。
この勝負を見るようだ。
「チケットさえ取ったら、これは終わるようだから、取ることに集中する。」
「そうね。傷つけずにキメラが温和な状態で取る方がいいわね。」
「怒らせたら大変ですわ。あれはどんな力を秘めているか分からないですし。」
「あれだけ混じってつらくないのでしょうか?」
強引に混ぜられているようなキメラの容姿である。
レオーネはキメラの姿を見て、悲しい表情を浮かべた。
しかし悲しんでもいられないのだ。
これからチケット奪取が始まる。




