~274~
白い空間には境界線が無いように見えて、すぐに一歩が出なかった。
「これって・・・。こわいわね。」
「足がすくんでしまいますわ。」
「上も下も分からなくなってしまいそうだ。」
「壁伝いに歩いていくしかなさそうだ。」
壁を探し、一列になって進むこととなった。
しかし、角がなく、どこをどう進んでいるのか分からなくなってしまった。
「皆さん・・・。少し止まってもらえますか・・・。」
「どうしたのレオーネ?」
「申し訳ありません・・・マッピングが不可能です・・・。」
「・・・そうか・・・・。仕方ない・・・。このまま進もう・・・。出来る限り記入は続けてくれ。」
「分かりました。」
プワソンの指示により、マッピングは続けられた。
「あ・・・あそこに箱がありますわ。」
「ほんとだ。」
箱に近づくと、ポツンと一つだけ置いてあった。
「次は[と]か・・・。」
「何文字あるのかわかりませんが、後もう少し集まらないと出来ないですね。」
「進むのが怖いですわね。」
「ここまで来たなら最後まで行こうぜ。帰りは何とかなるぜ。ディン!」
「わふっ!」
リンブルはディンを呼び出した。
「ディン。匂いで帰りを案内できるか?」
「わん!!」
「ということだ。だから安心しなレオーネ。」
「助かりました・・・。」
匂いで帰りを保証した。
「じゃあ、探索しますか!」
「わふ!」
また歩いていくと、箱を見つけた。
「また箱がありましたわ。中身は[下]。」
「これで、じ・は・地・と・下ですわね。」
「地と下は地下となりますね。」
「じ・と・はってことは、アジトはってことかしら?」
「可能性は高いですね・・・。」
すると、またツインズの声が聞こえてきた。
「すごいね!」
「すごいすごい!!」
「あと一文字あったのにわかっちゃったんだね。」
「まだ悩むかと思ってたけど、すぐだったね!」
「ヒント残して答えた君たちにご褒美だよ~」
「ご褒美ご褒美!」
「次に見つける箱の中身は、アジトご招待のチケット!」
「やったね!私たちのおうちにご招待!」
「でも、少ない人数にしてね?」
「たくさんは入りきれないよ?」
「じゃあ、残り頑張って探してね~。」
「がんばれ~。」
一文字残したまま答えを導き出したことにより、残りの箱が招待チケットになったらしい。
持っていることでどうなるのか全く分からないが、探す価値のあるものだということは分かっているので、気合を入れて探すことに。
「チケットさえ手に入れば何とかできそうだな。」
「最大のヒントだ。これは是非手に入れなくてはならない。」
さらに奥に進んだ。




