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壁をコンコンと叩き、下に続く道を探す。
「ここは何もなかったですわ。」
「ここは・・・お!なんか書いてあるぞ?」
「何が書いてあるんだ?」
「えっと~[じ]って書いてあるぞ?」
「こちらも見つけましたわ。[地]」
「こっちにもあったぞ![は]って書いてある。」
隠し扉から見つかったのは、文字の書かれた石だった。
次々と見つかり、手元には3つの文字が集まった。
「じ・地・はが見つかったと・・・集めると文章が出来上がるってことだと思うが、これでは何かわからないな。」
「まだ文字が見つかるということですわ。」
「そうだな。とりあえず次の階段だ。」
またコンコンと鏡を叩き、扉を見つける。
ハズレも多かったが、やっとのことで階段を見つける。
「ハズレが多すぎる・・・。まぁ~所々宝箱的な中に薬草は入っていたが・・・。」
「ほんとに何なのでしょうかこの迷路・・・。」
「遊ばれている気がするのは気のせいでしょうか?」
実際に人を小馬鹿にしたような迷路のように感じられた。
しかしながら、気になる文字も出てきたことにより、進まざるを得なくなってしまった。
階段を降りると、次はグニグニとした地面だった。
「いよいよバカにされてきたな。」
「そうね。これは進みにくいわ・・・。」
「跳ね返って少し面白いですわ。」
不思議な感覚でその感触を楽しんでいた。
しかし、すぐに切り替えて進みだした。
数十分後・・・。
「これ・・・思った以上に足にきますわ・・・。」
「半端なく疲れた・・・。」
「これ以上進んでも疲れるだけだから、いったん休憩しよう。」
「そうね。ここでなら体が痛くならずに仮眠をとれるわ。」
一旦探索を中止し、休憩することにした。
「簡単に食べて仮眠をとりましょう。パンにはさんだ物ですけど、これで済ませましょう。」
「すぐに仮眠をとって、また再開する。」
「順番に寝ますが、誰から寝ますか?」
「先にリンブルとエクラとレオーネが寝てくれ。特にレオーネは最後まで寝て回復に努めてくれ。」
「え・・・なんで?!」
「回復担当のレオーネにしっかり休んでもらわないと何かあった時に困るからだ。」
「そうね。私たちの命綱だもんね。」
皆も納得したのかうんうんと頷いていた。
「ではお言葉に甘えまして・・・。皆さんありがとうございます。」
「じゃあ、寝ますか。」
ベリエとプワソンが起きて番をすることになった。
「寝たわね・・・。ねぇ・・・。プワソンはどう考える?この迷路。」
「そうだな・・・。誰かが意図して作ったように考えれる。しかもこれは見つけてもらうためにって感じだ。」
「そうなんだよね~。これって誰かが見て楽しむためにって感じだわ。ほんと趣味悪い。」
「こうも考えられる・・・。子供の作った遊び場の様だ。」
「そうね・・・考えることが幼稚すぎる気がするわね・・・。」
「とにかく残りの文字も探してみないと分からないな・・・。」
ため息をつき、一息ついた。




