~271~
次々と問題を正解していき、奥に進むと降りる階段を見つけた。
下に降りていくと・・・。
「今度は何?先まで明るいじゃない。でも、私たちの姿が全面に映っているわ。」
「何が仕掛けられているんだか・・・。」
いわゆるミラー迷路の様だった。
「こんなに鏡があるなんてすごいですわ・・・。」
「確かにこの迷路は凄い造りだ。」
「取り合えず進んで行こうぜ。」
先があるのかないのかわからない状態だったが、先に進むこととなった。
「マッピングはしっかり頼む。」
「了解です。まかせてください。」
レオーネにしっかりとマッピングしてもらうことで、スムーズに帰れるようにする。
進んで行くと、また問題が出現した。
「また問題かよ・・・。今度はなんて書いてあるんだ?」
「ある法則により、記号が並んでいます。次の位置に当てはまるのはどの記号でしょうかだって。」
「今度は頭の柔軟さか。」
先ほどとは打って変わり、法則問題へと変わった。
「あの記号が2個並んでいるから次は○じゃないの?」
「いや、例題がこうなっている以上は○が来ることはないはず。」
「あ・・・解った・・・。答えは☆じゃないか?」
「適当に言って・・・いや・・・リンブルの言う通りだ。」
「そうだろ?ここに△が来ていて、○とあって、こことここはつながっていると考えて・・・。」
「その通りだ・・・。答えは☆だ。」
リンブルが導き出した答えは合っていた。
「やるじゃない!」
「こういうのは楽しいな。学院の勉強もこうだとよかったんだが。」
「これだけではだめだと思いますわ。このような問題ばっかりですと変人しか出来上がりませんわ。」
「俺が変だと言いたいのか?」
「変わっていますわね。」
「それはそれでショックだ・・・。」
またもやエクラに打ちのめされていた。
「コソコソ・・・エクラちゃんってリンブル君のことになるとこうだよね。」
「好きな人はいじめたくなるってやつでしょ?」
「そうそう!あわわ・・・あぶないあぶない・・・。声が大きくなってしまった・・・。」
「気を付けてよレオーネ。意識するとエクラがおかしくなっちゃうわ。」
「わたくしが何かありましたの?」
「「何でもないよ!」」
「そう?なんか呼ばれたような気がしたから。」
「「((エクラ恐ろしい子!!))」」
こそこそと喋っていたが、段々声の音量が大きくなっていたようでエクラが自分の名前で反応してしまった。
慌てて話を打ち切り、ごまかした。
一行は扉を開けて先に進む。
「やっぱりこの階層を降りないとこの鏡は終わらないのか?」
「私もそう思う。時間感覚もだいぶおかしくなって来たわ。」
「確かに・・・。疲れてきているから時間は経っているかと思われるが、魔物も襲ってこないから普通に体力は持つ。ただ、徐々に疲労は蓄積されているな。」
実際、この迷路に入って3日経っているのだが、それに気が付いておらず、1日半ぐらいだと思っている。
「さすがに疲れてきたから休憩しない?」
「そうだな。でも、ここは通路だから降りる階段近くなどに行ってからの方がいいだろうな。」
「確かに・・・。周りが鏡だから余計に休めなさそう。」
「ということで、もう少し進むとしよう。」
休憩できる場所まで行くことが決まり、黙々と歩いて問題も解いていった。
「そろそろ階段があってもいいころだと思うんだが・・・。」
「そうですね・・・。粗方見て回ったのですが・・・。」
「確かに続いてそうなところはすべて回ったけど、最終的には行き止まりだったわね。」
マッピングも綺麗に埋まり、全体が分かるようになっていた。
しかし、どこを探しても下へ降りる階段は見つからない・・・。
「もしかして、ここまでの迷路だったのか?」
「でも、それにしてはおかしくない?」
「何が?」
少し違和感を感じているのか、ベリエが周りを見渡しながら鏡に沿って歩いていく。
すると、ある鏡の前に来るとピタッと止まり、鏡をじーっと見つめた。
「これだけどさ・・・。たぶん仕掛けがしてあると思う。」
鏡をコンコンと叩き、鏡の向こう側を確認する。
その後、そっと手を添えて押すと扉のように開いた。
「ほら!こんな感じで開いたりするところがあるのよ!」
「すごい発見だな。調べ方は鏡を叩けばいいな。」
「左右に分かれて鏡を叩いていこうぜ。」
ベリエの発見により、先に進む糸口が見えてきたのだった。




