~270~
グロースファクトはというと・・・。
次なる目的地に来ていた。
「中々遠くまで来ましたわね・・・。学院が始まるまで捜索時間を考えても、ギリギリになりそうですわ。」
「ここを探索した後、王都に帰ろう。学生であることも忘れないようにしなくては。」
「捜索も出ているはずだから、私たちはお手伝いって形ですもんね。」
〘僕たちはどうしたらいい?〙
「一旦戻ってくれるか?」
〘はぁ~い。〙
そう言うと、フィグ達は契約石に戻っていった。
「ここの情報は?」
「はい。ここらへん一帯は魔物が多く、異常だということ・・・。それと、怪しい人影が入るのを見たという情報が1件だけありました。」
「情報的には信ぴょう性から確率も低いと・・・。調べてみる価値はありそうだな。」
「せっかく来たんだから、隅々まで見て回ろうぜ。」
深くなっている森の奥に進んでいくと、段々と森の雰囲気が変わっていった。
「おいおい・・・。これって・・・。」
「あぁ。まさかの報告漏れかと思うぐらいひどい状況だ。」
「こんなことになっているのに報告がないなんて・・・。」
森の木の葉っぱはなく、枯れ果てていた。
地面は草一つ生えていない。
なのに、薄暗く先が見えない。
明らかにおかしかった。
「これは、心して進まないと・・・。警戒を怠らないように。」
「「「「「はい!」」」」」
さらに奥に進むと、洞窟のような地下室のようなよくわからない穴が現れた。
「こんな穴があったなんて・・・。」
「危なければすぐに撤退する。すぐに撤退できるように脱出経路は確保するように。」
みな頷いて返事を返し、奥に進んで行った。
中は少し明るく、見えないほどではなかった。
進んで行くと、まるで迷路みたいだった。
「ここは行き止まりだったから、戻って次は反対に進みます。」
マッピングして気づき、迷路探索に切り替えていた。
「人を小ばかにしているのか?ここは。」
「どうでしょう?進んでいますが、魔物は一切現れていません。おかしいと言ったらおかしいですが、何かの意図があるように思えます。」
「とりあえず進んでみるしかない・・・。」
黙々と進むと、1つの扉に出くわした。
扉には何か文字と数字が書かれていた。
「何か書いてあるわ・・・。」
「この問題を解け?!計算問題だ!」
「これは何かの試練なのでしょうか?」
書いてあったのは計算式。
答えの選択肢が5つあった。
「とりあえず解いてみるしかない・・・。答えはこれだ。」
答えの数字に手を当てるが、何も起こらなかった。
「もしかして、魔力を流すのではないでしょうか?」
「やってみよう。」
レオーネの見解通り、魔力を流すとどこからか音が聞こえてきた。
「正解の様だな。もしかしてこれが続くのか?」
「かもしれませんね・・・。」
迷路はまだまだ続いている。




