~269~グローリア
わたくしはグローリア・ロワ・ヘイナード。
この国の王女ですわ。
色々ごたごたと巻き込まれて、現在まで悪の組織に捕まっていましたわ。
なぜ過去形ですかって?
それは、シャドーブラック様が助けに来てくださったからですわ。
姿を見て、助かったと認識して涙が止まらないといった失態を見せてしまったのですが、仕方ないですわ・・・。
あの監獄のような空間に時間も光もないところに閉じ込められたら仕方ないですわ。
お礼を言った後、何故か険しい顔?をされたシャドーブラック様が違う方向を向かれましたわ。
「お礼は王城に戻ってからで。・・・だれだ?そこにいるのは。」
そう言うと、違う空間が出来たようにぐにゃりと歪んだと思ったら、小さな双子が出てきたのですわ。
「よくわかったね!」
「うんうん。私達を見つけるなんてすごいね!」
「自己紹介しなきゃね!」
「うんうん!私たちはツインズ!」
双子って意味ですわね。
かわいらしいのに、なぜこんなに禍々しい空気を出しているのでしょうか?
厳しい声色でシャドーブラック様は問い詰めていきました。
「それで、お前たちは阻止しに来たのか?」
それは困りますわ・・・。
せっかく助けに来てくださったのに、出れない可能性もあるの?!
「う?何もしないよ?」
「うん。何もしないよ?」
「ただ見に来ただけ~。」
「そうそう。見に来ただけ。」
見に来ただけ?
意味が解りませんわ。
わたくしはこんな怖い思いをしていたのに、それを見に来ただけとは・・・。
末恐ろしいですわ・・・。
「なんだったのだ?」
「何だったんでしょうか?」
「意味が解らない・・・。Aにそっくりだ・・・。」
みんなして、ツインズの登場を不思議がりました。
シャドーブラック様は後半何かつぶやいていたみたいですけど、わたくしは聞こえませんでした・・・。
「ここでは窮屈でしょう。移動します。」
シャドーブラック様の提案で、この空間から出れるようです。
指差された方に目を向けると、別空間につながっているようで、ぼんやりと光り輝いていたのです。
閉じ込められていた空間から出た後、何か処理されたようです。
少し待つと、終わったようでこちらにくるりと向きを変えて・・・。
「お待たせした。では、こちらに。」
居住空間の方に移動したのですが・・・。
「ここは・・・?」
「私の居住空間ですね。召喚獣たちと暮らしています。」
豪華な家に連れてこられてびっくりしましたわ・・・。
王城より豪華ですわ。
こんな豪華な家は見たことありませんわ・・・。
「ここは空間から出たところですか?こんな建物見たことないですわ・・・。」
「ここは別の異空間になります。詳しくは・・・王城にてお話いたします。」
「そうですわね。」
後のお預けになってしまいましたわ・・・。
ただ助かって、ホッとしましたわ・・・。




