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一方、グロース・ファクトのメンバーは・・・。
「合流できたぜ。」
「中々早く合流できましたわ。」
「おかえり~。」
「無事でよかった。」
2手に分かれていたが、合流出来たようだ。
「どうだった?」
「門の方で引き渡してきた。報酬も後でギルドカードに振り込んでもらうことになってるけど、それでよかっただろ?」
「あぁ。ありがとう。捕まっていた女性は?」
「ギルドの方に預けてきましたわ。」
うんうんと頷き、返事を返す。
「そろそろお腹が減って来たぜ・・・。」
「確かにそうね。どこかいいところないかしら?」
〘もうちょっと行ったところに、水の匂いの元があるよ~。たぶんだけど綺麗な川がある予定。〙
「それならば、そこで食事をしよう。フィグ達は食べれるのか?」
〘基本的には食べないけど、趣向品としてかな?美味しいものはなんでも食べれる。〙
「では、人間の食べ物も食べれるのか?」
〘もちろんだよ~。食べれないものはないよ~。〙
にっこりとしながらジェルムが答えた。
言う通り、少し先に進むと、川が流れていた。
適当な広さの所で食事の準備をする。
「ここらへんで野営の準備をしようか。」
「そうね。ここなら十分だわ。」
「男たちは薪を拾ってきてくださる?」
「あいよ~。」
プワソンとリンブルはフィグとジェルムも連れて、薪拾いに向かった。
「私たちは夕食の準備だけど、レオーネかまどお願いしていい?」
「ベリエちゃんは何するの?」
「せっかくだから魚をとろかと思ってね。どれだけ取れるか分からないから期待しないでね?」
「はいはい。そう言ってたくさん捕ってくるの知ってるんだから。」
よくこのようなことがあったみたいで、慣れたように準備し始めた。
「わたくしは何をすればよろしいですの?」
「エクラちゃんは野菜を切ってくれる?」
「分かりましたわ。」
レオーネが取り出した野菜を皮を剥いたり、指定された大きさに切っていった。
下準備をしていると、プワソンとリンブルが帰ってきた。
その手には大量の薪とフィグとジェルムの口には鳥が咥えられていた。
「薪を探している途中で、偶然見つけて取ってきた。」
「ほぼ、フィグの手柄だ。」
〘案外肉が好きだからね。食べる分は取って食べたりするんだ。〙
「そうなのね。野菜ばっかりかと思っていたわ。」
〘しょっちゅうは食べれないよ?たまにだけ。〙
舌をペロッと出して言ってきた。
〘もしかして、しょっちゅうあそこから抜け出してたの?〙
〘ちょっとね~。でも、すぐ帰ってきてたから問題な~し。それに、鳥とか外に出ないと居ないじゃんか。〙
寮みたいな規則があるのか、抜け出すのはあまりよくないとされているようだ。
「あの中は何もないのか?」
ふっとプワソンは気になり、質問してみた。
〘住むにはいい環境ですね。怯えて過ごさなくていいから、子育てがはかどるってママが言っていました。主食は草や果物ですね。あそこもよかったですが、今の私はこんな素敵な女性に会えてすごく幸せです。〙
その質問にリラが幸せそうに答えてくれた。
「規則とかガッチガチそうだな。よし、火をおこせたぞ。」
「助かります。」
「ただいま~。思った以上に取れなかったわ。」
火をおこせたタイミングで、ベリエが帰ってきた。
その手には大きな籠に大量に入っていた。
「さすがベリエちゃん。食べる分だけ塩焼きにして、後は開いて干しておこうか。」
「ありがとレオーネ。さて、寝床の準備しますか。」
「それは俺たちでやっておくから、レオーネの手伝いをしてやってくれ。」
「はいはぁ~い。」
くるっと踵を返して、戻って行った。
今夜の献立は、野菜と鳥のスープ、パン、魚の塩焼きである。
「野営で豪華な食事だな。」
〘とても美味しそう・・・。涎が・・・。〙
〘レオーネはいい奥さんになれますね。〙
〘僕たちの分はある?〙
「たくさん作ったので、おかわりしても大丈夫ですよ。」
「では、恵みに感謝をいただきます。」
「「「「いただきます。」」」」」
食べ始めて、すぐにおいしいと絶賛されて、たくさん作った食事はあっという間になくなってしまったようだった。




