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他愛もない話をして食事を終えた。
「さて、そろそろ終わりとするか。この後はどうするのだ?」
「シャドーブラック様と共に帰る予定ですわ。」
「そうか。馬車を用意しようか?」
「大丈夫です。転移で帰れますので。」
「いや、ここは転移できぬようになっているが?特殊な陣なら出れるが・・・。」
「簡単だと思いますよ?試してみますね・・・。」
シュッと消えて、シュッと返ってきた。
「問題ないですね。壁がありましたが、何ともなくできましたね。」
「さすがだな。では、お開きとしよう。」
王の言葉で食事会が終了した。
リュシオルはまず王子の荷物を取りに行った。
「こんなぐらいだが大丈夫か?」
「問題ないですね。荷物にお手を触れても?」
「構わない。」
荷物を触り、アイテムボックスに次々と放り込んだ。
荷物の数は3つほどであった。
「次はグローリア様の分ですね。」
「部屋はあっちだ。」
クラレ王子に連れられてグローリア王女の部屋に行く。
ドアをノックし、中に入ると・・・。
「どこに行くつもりなのだ?この荷物は」
部屋高く積まれた荷物の量は圧巻だった。
「女性としては当たり前ですわ。ドレスに下着、化粧品にですわ。」
「化粧品はこちらで用意いたしますのでご心配なく。」
「そう?ならドレスと服と下着だけでいいですわね。後の荷物はその他もろもろですわ。」
「服と下着だけで十分ですよ?他の美容用品も揃っていますので。」
「ならこれとこれだけでいいわ。」
あると言ったら、どんどん減っていき、結局4つほどの量になった。
「何をどれだけ持っていくつもりだったんだ?」
「淑女の嗜みですわ。ですが、シャドーブラック様はよくわかっていらっしゃるわ。」
「私も少しは気にしているので、後、王女様がお泊りになると聞いたので他も用意させました。」
「さすがですわ。出来る男は違いますわ。」
「恐れ入ります。」
荷物を次々とアイテムボックスに入れて、準備を整えた。
「では、転移しますので、私をつかんでいただけますか?」
言われた通り、リュシオルの肩を持つとその場から消えていった。
寮の男子寮の部屋に転移してきた。
「すごい便利ですわね。私も覚えたいですわ。」
「空間魔法を使えればできますよ。」
「なぜ空間魔法の才能がなかったのかしら・・・。悔やまれますわ・・・。」
ブツブツと言って肩から手を放した。
「すぐに異空間の方に移動するのか?」
「しばらくここでゆっくりしてもらってからでいいですよ。」
「そうか助かる。」
「ではごゆるりと。桜。」
リュシオルは桜を呼び、色々と伝え、準備をさせた。
しばらくすると、桜がお茶と茶菓子を持ってきた。
「お茶でございます。もう少しでお風呂が沸きますので、少々お待ちください。」
「寮の風呂か?」
「いいえ。あちらのお風呂にございます。」
「それはいいな。あそこの風呂は気持ちがいいから。」
「さようでございますか。用意した甲斐があります。しばらくお待ちください。」
後ろに下がり、消えていった。
他愛もない話です^^;




