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王女はさっきから気になっていた単語の意味を聞くことにした。
「寮で預かる?卒業?この方は学生なのですか?」
「父上の話を聞く限り私もそうだと思うが・・・。もしや同じクラスだったりするのか?」
さっきから引っかかっていたことを2人に聞かれた。
「まだ気づいていないようだから、素顔を見せてやってくれぬか?」
「護衛対象ですからね・・・。ですが、出来るだけ学院では私がそうであるとはばらさない様にお願いいたします。」
そう言いながら仮面を取り、素顔を見せる。
「「あっ!リュシオル!!」」
「そうでございます。」
返事と共に優雅な礼をした。
「ほんとに近いと思わなかった。同じクラスなら大丈夫だ。」
「安心しましたわ。クラスが違ったりと思うと、どこに逃げ込んだらいいか分かりませんでしたし。」
「基本は、私の召喚獣、もしくは誰かが近くに控えることとなるかと。」
「分かりましたわ。お任せしますわ。」
質問が終わり、王女は椅子深く座り直した。
「他に聞きたいことはあるか?」
「いえ。この後のことはシャドーブラック様と個人的にお話をさせていただきますので、大丈夫です。」
「そうか。ならば、話はこれぐらいにして、食事にしようぞ。シャドーブラックも食べていってくれ。」
「ありがとうございます。」
「食事の準備が出来るまで、2人と話し合いをするのがいいだろう。」
「ご配慮していただき感謝いたします。」
リュシオルは王子と王女に案内されて、部屋を移動した。
「ここがお兄様のお部屋ですわ。」
王子の部屋に案内されてようだった。
「それでどういったことをお話ししましょうか?」
「堅苦しくなくていい。ここは非公開の場。いつも通りで構わない。」
「では、お言葉に甘えて。寮で生活することとなったけど、どうする?」
「簡単に崩れたな・・・。こほん!元々私たちも寮に住んでいたのだ。どおってこともない。寮の部屋も一緒になるってことなだけ。」
「でもわたくしはどうしますの?女子は入れませんわよ?」
「いや。寮の部屋ではなく、異空間の部屋にて寝てもらうことになるから大丈夫だよ。」
「それなら大丈夫ですわね。」
安心したのか、前のめりになっていた体勢を直し、ゆったりと座り直した。
「では、リュシオルの所の部屋に入り、そこから異空間に行くのだな?」
「そうなるよ。だから、同室のリンブルとプワソン、仲間のエクラとレオーネとベリエには話を通すこととなるけどいいかな?」
「そちらの判断に任せる。しかし言うってことは・・・。」
「そう。オレの正体は知っているよ。ちなみにシャインゴールドは「ルーチェさんですわね。」その通り。」
ルーチェの正体はすぐにわかったようだった。
「それにしてもその仮面を被るだけで髪色と服が変わるのは凄いな。」
「そうですわね。その仮面だけで別人になれる・・・。脱走し放題ですわ。」
「いけないことを考えるね。王女なんだからお淑やかに、そしておとなしくしておいてくださいな。」
「嫌ですわ。女の子同士で街を歩きたいですわ。」
女の子同士のショッピングなどをしたいようだ。
「いずれ行けるようになります。今は我慢してください。お姫様。」
「そこまで言われたら仕方ありませんわ。待つことにしますわ。」
少しわがまま言われたが、すぐに納得していた。
「こちらから何か持っていくのはあるか?」
「特にないけど。服とか下着は持ってきてもらった方がいいかな?その他はこちらで用意するよ。」
「わかった。では、今から用意するとしよう。グローリアも用意して。」
「分かりましたわ。」
王女が立った後、すぐにリュシオルが行動した。
「そこまでだと思うけど、ガルディ。」
「かしこまりました。」
「もう驚かないことにする・・・。」
色々なことが起こりすぎて、もう諦めだった。




