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一方、プワソン達は最初の目的地に来て捜索を終えていた。
「ここには何も手掛かりがなかったな。次に向かわなくては・・・。」
身支度を簡単に済ませて、プワソンはフィグに騎乗した。
「ほんと何も出なかったですわね。盗賊以外。」
「何も情報を持っていない盗賊はどうしますか?」
「確か・・・。こいつとこいつは懸賞がかかっていたはずだぜ?それに捕まっていた人たちをどうする?」
突撃をしたのはいいが、後処理が残ってしまった。
盗賊だけなら放っておくことにしようかと思ったが、仕方なく戻ることを考えた。
〘全員じゃなくてもいいんじゃないの?僕なら匂いですぐに追いつけるし。リンブルと行ってくるよ?〙
「可能なのか?」
〘よっゆうの余裕だね。僕を誰だと思っているんだい?〙
ニヤリと口角を上げてノワイエが申し出てきた。
〘でも、ノワイエだけでは不安だから、俺も付いて行くよ。いいだろ?エクラ。〙
「そうですわね。売られそうになっていた女の子たちが男だけでは不安ですわね。ジェルムは大丈夫ですの?」
〘こいつの遅れをとるようなことはないよ。安心して?〙
〘おうおう!僕より上だって?!〙
〘そうに決まってるだろ?〙
ギャスギャスと言い合いが始まってしまった。
「仲って悪いの?」
〘ライバルって言えばいいかな?そんな感じですよ。そのうち収まるのでいいのですが、もし急ぐのであれば・・・。あ・・・!必要なかったですね。〙
レオーネにこそこそっと聞かれて、リラが答えていたら2匹にフィグが怒った。
〘いつまでやってるの?いい加減にしないと怒るよ?〙
〘〘ごめんなさい!〙〙
フィグが少し怒気を込めて言うと、ガタガタと震えながら収まった。
「なるほどね。みんな仲良しさんだね。」
〘そうなんですよ。レオーネ。〙
騒動の横でのほほんと会話しているのだった。
話も終わり、2手に別れて進む。
プワソン・レオーネ・ベリエはさらに奥に。
リンブルとエクラは街に移動した。
「ご苦労様です。」
「では、こいつらはお願いします。」
街に着いたプワソンとエクラは盗賊を引き渡し、残りの捕まっていた人をギルドまで届けた。
「助けていただきありがとうございました。」
「気にしなくていいですわ。偶々《たまたま》でしたのよ?感謝されるほどのことではないですわ。」
「それでも、私たちは助かりました。ありがとうございます。」
深く礼をされ、見送られながらエクラとリンブルはその場を後にした。
見送った女性たちは、名前を聞くのを忘れていたのでせめて恩人の名前だけでもと思い、ギルドの受付に聞くことに。
「あの方たちですか?今、期待の新人・・・新人はもう超えましたね。期待のチームです。チーム名はグロース・ファクト。今の方は青の舞姫と、火炎の狼ですね。」
「ブループリンセス様とフレイムウルフ様・・・。」
出て行った方向に目を向けながら復唱した。
一方、出て行った側は・・・。
〘オレの方が早いに決まっている!〙
〘いいや!僕だね!〙
ジェルムとノワイエが競いながら合流を目指していた。
「方向は合っているのかしら?」
〘優秀な俺が間違うわけないね!安心して!〙
「ならいいですわ。これなら早く合流できそうですわ。」
「いつまで持つか分からないけど、このペースならすぐになりそうだ。」
やれやれといった表情をしながら進むのだった。
2つ名が広まりそうですねww




