~25~
ウルフの討伐部位と毛皮を剥ぎ取り始めたが、10程も剥ぎ取るのはめんどくさいと思い始めたリュシオルはナイフを片手に、持っていない方の手を顎に当て考え出す。
「リュシオル様?どうされましたか?」
リュシオルの行動が止まっていることに気づいたルーチェはリュシオルに声をかけた。
「いや~めんどくさいから何かいい方法ないかとね・・・魔法で出来ないかな?」
「なんか出来ちゃいそうですね。」
ルーチェとしても、めんどくさい作業をしなくてもいいに越したことは無いからあればいいなと肯定的な言葉を投げかける。
「あ・・・解体でいいのかな?じゃあ、この言い方で《ディサクション》」
一体のウルフに対して魔法を実行すると、光った後に毛皮と牙に分かれて姿を現した。
「出来ちゃった・・・ルーチェ~!解体しなくていいよ~魔法でやっちゃうから。」
ルーチェも見ていたみたいで、すぐに作業を終えた。
離れたとこにウルフは散らばっているので、それも集めなければと思いまた思案する。
「集めるのは・・・使い勝手が良くて応用できるのがいいな。じゃあ《テレキネシス》」
集めることを考えながら唱えると、ウルフは静かに浮き上がりリュシオルの目の前に山積みになった。
もう慣れてしまったルーチェはナイフに付いた血を拭き取って眺めている。
「相変わらず規格外ですね。そんなことを魔法でしようとする人はいないですね。ただ、作業が無いぶん楽ですね。」
「そうだね。討伐部位と価値があるものが自動で出来れば便利だし。残りも《ディサクション》よし、アイテムボックスに仕舞っておくよ。」
まとめてアイテムボックスに仕舞って、残りクエスト分のゴブリンを探すことにし、マップを開いて再度検索をかけると、一箇所にとんでもない数のゴブリンがいるところがあった。
「ルーチェ・・・ゴブリンの集落を見つけた。ここから少し離れるけど、町に近いところだから一掃してしまおう。」
「そうですね。町が襲われたら嫌です。」
「だな。100匹以上いると思うから、魔法も使って始末しよう。」
「リュシオル様。もしかするとそれだけのゴブリンだと、人間が捕まっている場合があります。」
「ならできるだけ急がないとね。ルーチェ走るよ!」
リュシオル達はゴブリンの集落に向かって駆け出した。
数分走ることになって、少しルーチェが遅れてきたために少し緩めることに。
「大丈夫?ちょっと早かった?」
「はぁはぁはぁ・・・りゅ・・しお・・・るさま・・・早すぎます!」
「ごめん・・・。そんなに早かった?」
「私も早いほうですが、それどころじゃないですよ。超人過ぎます。」
リュシオルのペースは普通の人の2倍ぐらいのスピードが出ていた。
それでもリュシオルは本気で走っていなくて、駆け足程度にとどめていたのだが、普通の人の全速力のスピードだった。
「ごめんごめん。ここからは歩こうか。そろそろ集落・・・いや、洞窟に入ることになるから。」
「はい・・・息を整えます。」
少し深呼吸をし、息を整えた。
できるだけ気配を殺して歩くと、洞窟らしきものが見えてきた。
入り口には見張りだと思われるゴブリンが2体立っている。
「まずは、あの2体を音なく倒そうか。ならこの魔法かな?《ウィンドカッター》」
魔法を唱えると、見張りゴブリン2体とも首から切れて頭が落ち、静かに倒れた。
「おおぅ・・・殺傷能力高いな。でもこんな感じかな?」
「はい。強すぎます。」
少しあきれた声でルーチェが答えた。
「ま・・・静かに倒せたし、洞窟に進みますか。」
「はい。リュシオル様。」
気配を殺しながら歩みを進めていく。
少し進むと、広場が見えてきた。
その広場には所狭しとゴブリンが溢れかえっていた。
「これは凄いね。どうやって倒そうか?」
「ん~じゃあ、土魔法で串刺しとかはどうですか?」
「ん~それなら大惨事になりそうだな~。
「じゃあどうしますか?」
どうやってこのうじゃうじゃいるゴブリンはどうしようかと・・・
「あ!この広場の限定で心臓を止めてしまえばいいね。範囲指定は広場で与えるのはゴブリンの心臓で《ショック》!。」
すると、ゴブリンたちがバタバタと倒れていき、立っているゴブリンは1匹もいなかった。
「おお~効果絶大!ただ、普通じゃ使えなさ過ぎるこの魔法。危険だから考えて使わなきゃ。」
「・・・・・・・」
目の前の広がる状況にルーチェは思考停止してしまった。
「お~い!ルーチェ!大丈夫か?」
「はっ!一瞬思考が止まっていました。」
「戻ったのはよかった。討伐部位だけ回収しとこうか。《ディサクション》」
広場に広がっていたゴブリンの死体は綺麗に無くなり、討伐部位だけ残って念力で回収し、アイテムボックスに入れた。
さらに奥に進むと、ボスらしき気配がした。
「ボスがいるみたいだね。一発で仕留めるか・・・」
『なら、僕を使って~』
バルトから声がかかり、その場で止まった。
「バルト。どうしたんだ?」
『主様。僕の刀身に魔力を這わして振ってみて~そうすると斬撃が飛ばせるよ~。』
「お!それはいいこと聞いた。ためさせて貰うよ。」
さらに歩みを進め、ボスがいるらしき場所に着いた。
ぎりぎり間に合いました・・・
好きなアーティストの動画を見ていたら時間がなくなっていて慌てて書きましたww
そして早速間違えていたwww




