~257~
王城で捜索隊の行く場所が決まった頃、グロース・ファクトは森の少し奥の開けた場所に来ていた。
「ここらへんでいいか。確認だが、ここで出してからギルドでのことを確認。それから・・・。」
「変装していることも教えるってことね。」
「それじゃ、全員出してくれ。」
石をコンコンと3回指先で叩き、先ほど仮契約した騎乗獣達を出した。
〘呼ばれて・飛び出て・・・どーん!〙
〘なにそれ。意味が解らない。〙
〘静かに出られないの?〙
〘お呼び~?〙
様々なコメントが飛び出しながら、出てきた。
「入ってもらってすぐに呼び立てて申し訳ない。」
〘気にしないで~。何かあるんでしょ?〙
「さすが君は分かっていたか。」
〘伊達に君を選んでいなってことだよ。〙
プワソンのパートナーである狐は分かっていたようだった。
分かっていないものを含めて、詳しく説明することとなった。
〘・・・なるほどね~。じゃあ僕たちは君たちがギルドで活動しているときと、本来の姿の時は人目がない時にってことだね〙
「分かってくれたみたいでよかった。」
皆、顔を合わせ頷き合った。
そして代表して、ベリエが。
「それじゃあ、ここに来るまでに考えてた名前を言っていいかな?」
〘名前考えてくれてたんだ~。〙
「もちろんですわ。ではベリエから発表ですわ。」
ベリエはパートナーのほうに向き、名前を発表した。
「あなたの名前は、イリス。」
〘僕はイリス!これからよろしくね。〙
名前を命名した後、血を付けて契約がなされた。
「それじゃあ、次々といこうか。君はフィグ。」
〘これからよろしくね。プワソン。〙
「あなたはジェルムですわ。」
〘いいセンスしてるじゃないか。〙
「お前はノワイエだ。」
〘あいあいさ~。〙
「えっと・・・リラって名前はどうかな?」
〘可愛い名前です。ありがとう。〙
順番に命名が終わり、本契約がなされた。
「それでだが、さっそく仕事にかかりたい。」
〘いいよ~。だけど準備できているの?〙
「それは終わっている。」
〘何も持っていないようだけど・・・。大丈夫?〙
〘ほんとだ~。人間は食料とか持っていくんじゃないの?精霊さんから聞いたよ~?〙
フィグとノワイエから不思議そうに聞かれた。
「この袋に魔法がかかっていて、この大きさよりたくさんの物が入るんだ。」
〘それって高価じゃないのか?〙
「大切な友人が作ってくれたのだ。大切に使っている。そして、その友人が今必死に探してくれているから、少しでも近づこうと思ってな。」
〘なるほど・・・。強い思いがあるんだね。僕たちも協力するよ!〙
騎乗獣達も賛成してくれた。
「その前に、あれ見せといた方がいいんじゃない?」
「そうだな。皆に見てもらいたいことがある。」
そう言われ、騎乗獣達がこちらを見た後、仮面を付けた。
〘すごいね~。〙
〘わぉ!そんなことが出来るんだね!〙
〘本質が変わっているわけでないから大丈夫。〙
〘匂いも変わっていないから大丈夫だね。〙
〘その姿も可愛いですね。〙
ギルドでの活動するときの仮面を被って見せてた感想だった。
そして、騎乗獣達にとって髪の色が変わっただけはあまり、気にならないようだった。
〘じゃあ、もう出発?〙
「そうだな。乗せてくれるか?」
〘もちろんだとも!〙
皆はそれぞれのパートナーにまたがり、最初の目的地まで移動したのだった。
名前がやっと決まりました。




