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一方、王都の王城では・・・。
「将軍。偵察の部隊は整理されたのか?」
「はっ!もう出撃できる体制でございます。」
謁見の間では、王より将軍が指令を受けていた。
「よろしい。そして、目星はついているのか?」
「それが、そうであろうという情報しか入ってこず、遠いところが多い模様で・・・。」
「そうか・・・。連れ去られ方が陸路などを使わず、魔法だったから余計に見つかりにくいのだな。」
「申し訳ございません。」
「よい・・・。そちを誰も攻めとらん。時が悪かったのだ。」
王は深いため息をつき、姿勢を少し崩した。
「どの辺から探し始めるのだ?近いところですと、ここから北の方と西の方でしょうか?とりあえず、足の速い者を向わせて調べさせます。」
「では頼んだぞ?」
「かしこまりました。わが命に代えましても王子と王女は無事に救出いたします。」
将軍が退室した後、横から声がかかった。
「無事なのでしょうか・・・。」
「王妃か・・・。分からないが、無事を祈るしかないだろう。」
「そうですわね・・・。わたくしはこのまま神に祈りに行ってまいります。」
「そうか・・・。礼拝堂まで送るが、あまり無理はするでないぞ?」
「はい。陛下。」
王妃の手を取り、謁見の間を後にした。
「うふふ。誰も気づいていないわ。」
「そうだね。気づいていないね。」
「一生懸命探しているみたいだね。」
「一生懸命だったね。」
クスクスと誰もいなくなった謁見の間から小さな少女の声が聞こえてきた。
「ねぇねぇ。このままだと面白くないね。」
「ねぇねぇ。このまま去るのは面白くないね。」
「いいこと思いついた。」
「私もいいこと思いついちゃった。」
「「K≪キング≫には内緒でヒント出しちゃおう!!」」
「だって面白くないもんね。」
「全然面白くないもんね。」
「「きゃははははは!!」」
パタパタとどこからか足音が聞こえてどこかに去っていった。
「それでは一応確認ですが、こことここ・・・それからここにとの情報が入っております。」
軍の作戦会議室は地図が広げられて、場所の確認と何人派遣するかが決められていた。
「ここに1チーム、ここに1チームで・・・ここには私が当たります。」
「それでは残りのこことここは私の所から。」
「こことここはお任せいただきたい。」
どこに向かうかが次々と決まっていった。
「これですべての噂に人を送ることが出来るか?」
「ここも怪しいのではないか?」
1人の隊長が地図を指差し、そこにいた隊長たちが指差したところに目を向けた。
「ここか?何も聞いたことがないが・・・。」
「私はここも聞いたのだが、どうする?」
「私の部隊がここの近くなので並行して調査いたします。」
指差した隊長と違うの者が調査に名乗りを上げて、会議が終了した。
「それでは速やかに向かうように。定期連絡は怠るな。」
「「「「「「「はっ!」」」」」」
敬礼した後、全員がその部屋を後に・・・いや、1人残っていた。
「上手くいったね。」
「うんうん上手くいった。」
「意外と操ってることがバレなかったね。」
「操られていることもこの人分かっていないけどね。」
「指差した記憶だけ残らないようにしとかなきゃ。」
「しとかなきゃ。」
何か魔法を掛けられた跡、フラフラしながら部屋を出て行った。
「行ってらっしゃ~い。」
「らっしゃ~い。」
「これで、ツインズからのヒントが出せれたね。」
「ツインズが面白くしたから、Aに褒められるかな?」
「「でも、先回りしてヒント置いてこなくちゃ!!」」
クスクスと笑い声が聞こえた後、会議室には誰もいなくなった。
駄目だ。。。。
騎乗獣のいい名前が浮かばない!!
どうしよう・・・。




