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最後はレオーネである。
〘初めまして、可愛い人。〙
「ありがとう。あなたもモコモコして気持ちいいわ。」
〘それは光栄だ。毛並みがモコモコなのを褒められるのは、僕の種族では名誉なことなのさ。〙
「それはよかったです。それで、私と契約してくれますか?」
〘それはもちろんだよ。〙
このペアも契約することになりそうだ。
「話は終わったみたいですね。では契約の話に移りたいと思います。あの子を連れてきて。」
「クキャ!」
バサバサと飛んで行ったが、すぐに帰ってきた。
「クキャキャ!」
羽の手を上げて、連れて来たよと言う感じに言っているようだった。
「ありがと。ではこの子より説明を受けてもらいますね。」
そう言って現れたのは、半透明の人間の様だった。
「私はここにいる契約の精霊。契約の意思があり、双方が承諾した場合のみ成立する。まずは、あなたから契約の儀式をしましょう。」
まず最初はプワソンからだった。
「まずはあなたの魔力を少し抽出する。」
プワソンに手をかざすと、ス~っと魔力が精霊の方に流れて行った。
精霊はその魔力を圧縮し、石のように固めた。
すると、宙に巨大な魔法陣が現れた。
「この魔法陣を付与するためもう少し魔力を抜くぞ?」
「はい・・・っく!」
「そなたの魔力もだ」
〘いいですよ~。〙
さらにプワソンは魔力を抜かれ、契約する方も魔力を抽出される。
魔法陣が輝いた後、魔力で作られた石に吸い込まれた。
「これで契約がなされた。どこに着ける?」
「え?どこにでもつけられるのですか?」
「そうだ。装飾にすることも、体に埋め込むのも可能だ。」
「違いはあるのでしょうか?」
「説明を忘れていたな・・・。装飾にする場合は軽い加護。後、付け替えることが出来るぐらいか。直接は多大な恩恵があるかわり、手の甲に着けた場合、取り外しが出来なくなるかな?しかし、ここに来れば付け替えてやることも可能だ。」
少しのデメリットしかないのであれば、直接つけることがメリットのように感じられた。
「あぁ~後は、心のつながりが直接つけた方が強くなる。」
「というのは?」
「感情などのつながりが出来て、喜怒哀楽などが通じ合うことになる。」
「それぐらいなら問題ないな。私は直接つけてもらおう。どこがオススメだ?」
「出来れば服から出せるところがいいな。腕や手の甲・・・喉のしたの所・・・額とかもあったが?」
「では、私は手の甲にしよう。」
「こちらに来い。」
傍に行くと、付けるほうの右手の甲を差し出した。
精霊がブツブツと呟き、終わった後、魔力の石は手の甲に付いた。
そして付いた石を見ると、1つではなく小さいのが広がったり、刺青のように線が入ったりして綺麗な装飾になっていた。
「これは珍しいな。そなたの魔力に反応してこのようになったようだ。誇るがよい。それはよいことだ。」
「ありがとうございます。」
そして、順番に契約となった。
ただ、プワソンの様には皆はならず、形を変えた石1つと、刺青だけだった。
「仕上げは、双方の血をその石に垂らし、名づけをして終了となる。今は仮契約といったところだな。では、私はこれで失礼する。」
「ありがとうございます。残りは私が説明しておきます。」
「お願いする。ではまたな。」
女の子に任せて精霊は消えていった。




