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店の中に入ると、草のいい匂いがした。
「獣臭くない・・・。そして草も嫌な臭いじゃない。」
「部屋の中も綺麗だ。」
「あ!!いらっしゃいませ!」
奥から出てきたのは小さなかわいらしい女の子だった。
「御用は何でしょうか?」
「騎乗するのに馬以外の生き物が見たいのだが・・・。」
「まぁ!!ありがとうございます。誰かの紹介だったんですか?」
「騎士の方から紹介してもらったんです。ここはいい子がたくさんいるって。」
「ではあの騎士さんですね。あの方もこちらでうちの子を購入してくれたんですよ。それではこちらに来てもらって、見てもらう方が早いですね。ほんとに、うちにはいい子ばかりですよ。」
女の子に案内されて、裏に行くと大自然が広がっていた。
「こ・・・これは?」
「あ~これは何代も何代も何代もず~っと前の人がここを作ったんですけど、その時にこんな風に作ったらしくって。私も助かってますし、ここにいる子たちも伸び伸びといてるので。」
すると、スーッと一匹が近づいてきた。
「クキャ!」
「あら。どうしたの?」
「ク~クキャッキャクキャ。」
「そう。ならその子たちをここに連れてきて。」
「クキャ!」
何かの動物が、女の子に近づき何かを言った後、また草原の奥の方に消えていった。
「あの~なんて言ってたのかしら?」
「あ~。分からないですよね。すいません。あの子はここのボス?違うか・・・リーダーみたいな存在なんです。それで、向こうで今日あなたたちが来ることを予知した子がいて、相性も同時に出て選び出されていたんです。」
「え?つまり私たちのパートナーとなりうる騎乗動物がこれから来ると言うことなのか?」
「そうですね。でも、来る予知と相性があるだけで、その人を気に入るかはその子次第なんですが。」
「それでも、予知できる子が凄いな。」
「はい。動物って言うかなんというか・・・。精霊?」
「精霊かぁ~・・・。」
「はい。この空間を管理している?楔?そのようなことをおじいちゃんから聞きました。」
この空間の管理をしている精霊がここの動物たちものことも見ているようだった。
しばらく待っていると、5匹やってきた。
「ク~。」
「カゥッ。」
「ニ~。」
「キュウ。」
「ミ~。」
駆け寄ってきたのは5匹の騎乗動物だった。
「わぁ!この子達が選ばれていたのね!」
「クキャ!」
「それで、この子達の親はいいって?」
「クキャ~。」
「そうなのね!」
「で、どういうことなんだ?」
あまりに一方的な情報しか入らなかったので、説明を求めた。
「この5匹は幻獣種になるの。」
「ふぁ?!幻獣種?!」
「そう。幻獣種です。ここには普通の子から幻獣種の子まで様々な子が住んでいるの。奥行きはすごく広いんですよ?」
「だから、可能で、精霊が関わるんだな。」
「そうです。それで、ここには絶滅していると言われている子たちまで生活しています。それがこの子達。」
女の子にすり寄ってク~っと鳴いた。
「確かに見たことない。」
「初めて見る姿形・・・。いや、本で見たことがあります!」
「昔はたくさんいたんです・・・。それが人間の身勝手の乱獲のせいで・・・。」
「なるほど・・・。」
昔の人間に住処を奪われ、命を奪われてきた種。
あまりに居なくなったために幻獣種と言われるようになった。
「騎乗するにはとても速く走れる子達ばかりですよ。」
「では、人間ぐらいを乗せて走ることは問題ないと?」
「人間以上に重たくても大丈夫ですね。」
「馬に似ている子もいます。」
姿が少し変わっていたが、目はとても澄んでいる子達ばかりだった。
次にどんな子たちか分かります(^^♪




