~24~
マージから貰った本はアイテムボックスに全てしまって、店を後にした。
「さて、これで今日の予定したたことは終わったけどどうする?」
「そうですね~。リュシエル様はしたいことは無いのですか?」
「そう言われると何もないな~。」
「では、何かギルドで依頼を受けませんか?私戦う訓練したいです。」
「ならそうしようか・・・。確かに戦うことに慣れていたほうがいいな。」
ルーチェの提案で依頼を受けることになり、ギルドに向かった。
クロワはいないみたいで、他の受付嬢に受付してもらい門の外の森に向かった。
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「受けたのはゴブリン5体とウルフ5体ですね。」
「そうだよ。じゃあ探しますか。《マップ》っと《ウルフとゴブリン表示》ふむ。近くにゴブリンが3体と1キロぐらい離れてウルフの群れがいるみたいだ。」
「リュシオル様・・・その魔法は?」
「これ?これはオリジナル魔法かな?一応無属性の部類に入るはず。」
「また・・・便利な魔法を作りましたね・・・。」
ルーチェはリュシオルの凄さに少し呆気に取られていたが、すぐに通常運転に戻った。
段々とリュシオルに毒されてきたみたいである。
「じゃあ、少し気配を消して、ここから歩くよ。エトワールを装備して?」
「はい。」
リュシオルもルーチェに言いながらバルトとガルディを装備し、ルーチェもすぐにエトワールを装備した。
足音を消して歩いていくとリュシオルの言ったとおりにゴブリンが3体動いていた。
リュシオルは小さな声でルーチェを指示する。
「見えたね?ここから狙ってみてくれ。出来るだけ1発で仕留めて。」
「はい。じゃあ狙うのは頭ですね。」
ルーチェはすぐさまに弓を引き絞り射ると、風の抵抗も音もなくゴブリンの眉間に綺麗に刺さった。
急に仲間が倒れたことに気づいたゴブリンは粗末な武器を構え辺りを警戒しだす。
「連続で仕留めます。」
ルーチェは連続で弓を射って残りのゴブリンも仕留めた。
「連射も問題ないね。」
「エトワールが凄いからですよ。」
『謙遜なさいますな姫。姫の才能が優れているからですよ。』
「エトワールの言うとおりだな。道具が良くても使い手が悪ければ元も子もないからな。」
うまく出来たルーチェを褒めながら仕留めたゴブリンに近づき討伐部位を回収する。
『今回はまったく出番無かったねガルディ~。』
『その方がいいでしょう。ですよね?主。』
「ルーチェの訓練だもんな。だが、次のウルフは群れで10匹以上いるから相棒たちの出番はあると思うぞ?」
少し暇そうな相棒たちに声をかけ、次のウルフに向かった。
「団体でいるから複数対になる。周りに気を配りながら戦うことになる。ルーチェならどうする?」
歩きながら、ルーチェに質問を投げかける。
ルーチェは少し思案し、答えを導き出した。
「今回は武器の訓練がしたいので、エトワールで望みます。そして、複数いるので属性をこめて攻撃します。」
「うん。ここで一つだけど、素材の傷が少ない方が高く売れるから傷はどうする?」
「それならば、風の属性で矢を作り、不可視にして暗殺?ですかね。」
少し恐ろしいことを言ったが、あながち間違えていないためリュシオルも指摘しなかった。
風ならば見えにくくすることも出来るためいい案だと褒める。
『姫。では、まとめて矢を作り出して一掃しましょう。』
「そんなことも出来るの?」
『はい。姫の実力が分かりましたので、それぐらいわけも無いでしょう。』
エトワールの提案により、より狩りはうまくいきそうになった。
それでも、何かあったときのためにリュシオルは準備しておくつもりだ。
「そろそろ群れに遭遇するはずだ。準備を。」
ルーチェは頷いて返事をし、弓を構えながら移動し始めた。
すると、少し開けた広場にウルフの群れはいた。
「では、始めます。エトワール。」
『はい、姫。最初はあの右側の3匹から仕留めましょう。』
エトワールが言うと3本の矢が出現し、ルーチェは狙いを定めて射る。
綺麗な放物線を描き眉間に綺麗に刺さった。
急に倒れた仲間にウルフは警戒し出し、唸り声を上げた。
「続けてあの5匹。」
『はい、姫。』
次はまとまっていた左側のウルフに狙いを定め始末した。すると、場所が分かったのか残りのウルフがこちらに向かって威嚇しだした。
「見つかったみたいだな。俺が前衛で始末するからサポートを頼もうかな。」
「分かりました。任せてください。」
そう言うと、リュシオルはバルトを抜き放ち、手前のウルフ目掛けて駆け出した。
少しびっくりしたウルフだがすぐさま敵とわかり、襲い掛かってくる。
しかし、リュシオルのほうが早いため、ひらりと回転してかわされ、頭を一閃しされたウルフは何が起こったかわからないまま事切れた。
仲間がやられリュシオルに飛び掛ろうとするウルフが2匹いたが、サポートしていたルーチェに仕留められ、あっという間に2人で群れを一掃した。




