~247~
魔法陣を行使したことにより、文字が浮かんできた。
「文字が浮かんだってことは・・・。」
「そうみたいだ。生きているし、何もされていないけど、異空間に閉じ込められてる。」
「これじゃ救いようがないじゃない!」
「見つけれないのも当たり前だ。」
どうすればいいのか分からないといった表情をしていた。
「・・・少し時間がかかるかもしれないけど、俺に任せてくれないか?」
「どうやるのよ・・・。他人の異空間にどうやって・・・。」
そんなことできるのかとベリエから言われてしまった。
「異空間で違う異空間に接続できないかと思ってね。今まで出来ないと思っていたけど、それは枠にハマった考え方をしていたらだめだったんだ。柔軟に考えてやろうかと。」
「そうか・・・。できそうか?」
「やらないと駄目だろ?」
ニヤッと微笑みながらプワソンに答えた。
「どうせ今は手出しができない状態だ。出来るだけ早く助けてほしい。」
「努力するよ。ただ、そうする間、俺は異空間に閉じこもることになるから・・・。」
「そこは任せてくださいな。うまくごまかしておきますわ。」
「そうだな。それぐらいなら問題ないな。」
皆が協力してくれることとなった。
そしていない間は、どうするかの話になった。
「どれぐらいかかるんだ?」
「いつまでか分からない・・・。出来るだけ頑張るけど・・・。」
「そうかなら・・・病気では難しいな・・・。故郷で少しゴタゴタがあって少し帰ったってことにするか?」
長くかかりそうとのことを聞き、故郷に帰ったという話にしようとなりかけたが・・・。
「それなら手続きが大変よ?」
「そうか・・・。なら病気の線で頑張ることにする。」
ベリエから手続きの話が出て、難しいから病気で頑張ることになった。
「とりあえず今からやってみるから大丈夫だと思うよ?」
「そうね・・・。休校中に見つかればその話をしなくて済むけど・・・。一応念のために口裏を合わせとかないと困るからね。」
「そっか・・・そうだよな。ありがとう。」
「どういたしましてですわ。それなら私たちはどういたしましょう?」
出かける目的がなくなったので、どうしようかとなってしまった。
「確かに王子と王女は見つかって取り返せるかもしれないけど、アジトは見つかっていないんだぜ?それは探すべきじゃないのか?」
「それもそうですわね。そこまで考えが及ばなかったですわ。リンブルにしてはよく気づきましたわ。」
不意に手を出して、リンブルの頭を撫でた。
「オレは犬じゃないし・・・。」
撫でられたので、意気消沈してしまった。
「なんだか撫でたくなってしまったのですわ。髪の毛もふわふわですわ。」
エクラはリンブルの頭を撫でて、ほわほわしていた。
それを見たみんなはほっこりと見入ってしまった。
「なんですの?みなさん黙ってしまって。」
皆がほっこりと見ていることに気づき声をかけてきた。
「何でもないよ。さ!俺はさっそく異空間に行ってくるよ。どれぐらいかかるか分からないから、ルーチェを残しておく。何かあったら念話で連絡して欲しい。」
「かしこまりました。」
そう言った後、リュシオルは異空間に行ってしまった。
「おれ達もいくとするか。」
「そうだな。」
「まずは情報収集ね。」
「目星をつけているところがいくつかあるのでそこにも行きましょう。」
「行動開始ですわ。」
準備をすでにしていたので、後は出かけるだけだった。
「行ってらっしゃいませ。」
「何かあったらルーチェに伝えるよ。」
「はい。」
ルーチェを残し、グロースファクトは出かけて行った。




