~246~
次の日の朝、学院は休校となっていた。
「少し、ごたごたがあるから休みになるんだって。」
「短くて5日となるそうだ。」
「ならその間に活動しないとね。」
「それにしてもどこを探せばいいのか皆目見当もつかないわ。」
「それでも探すしかないですわ。」
外に出かける準備をしているプワソン達。
グロースファクトとして行動するようだ。
「ブツブツブツ・・・。これでいいかな?」
一方その横でブツブツと言いながら紙に色々と書き殴っているリュシオルがいた。
「なにをしているの?外には出ないのかしら?」
「あぁ。これの実験をしようかと思って。もしかすると、居場所を見つけることが出来るかもしれないんだ。」
「どういうことかしら?」
説明を求められたので簡単に説明した。
元々リュシオルはこの世界の陸・海と限定して探していた。
しかし、この世界は陸と海だけではない。
異空間などのあらゆる現象が、地球からしたらあり得ないことが巻き起こっている。
それなのに探す場所を限定してしまっていたその壁を取り壊し、新たに術の精度を出したのだ。
そして、その精度はもちろん地球での経験や機械で行われていたことを魔法陣に組み込む作業をして、その作業が朝に終わったのだ。
「なるほどね・・・。あらゆることで探すことが可能になったかもしれないってことね。」
「そのとおり。しかし、作ったのはいいけど正常に機能するか、まだ試していないから今から試すのさ。」
「じゃあ、その効果を確認して、見つけたら乗り込みましょう。」
ベリエはやる気満々になっていた。
しかし、今ここにいるメンバーを検索かけても仕方ないので、異空間の家にいる召喚獣たちを検索にかけた。
すると、マップでは出なかったが、文面にて表示された。
「あ・・・でた。」
「ほんとね・・・。なんて書いてあるか読めないけど、文字が出ているわね・・・。」
「この文字ってもしかして・・・古代魔法語?」
「忘れちゃったけど、秘密の言葉に向いてるし、使い勝手がいいから使ってるんだけど・・・。」
そう、文字となって現れたのは地球の日本語だった。
使い慣れていた文字を使用して方が楽だと思い、この文字にしていたのだが、まさか古代魔法語とは思わなかったのだ。
リュシオルは少し焦りながらもなんとかごまかしたのである。
「まあいいけど、私たちでも読めるようにできるかしら?」
「一回出来てしまえば、文字を弄るぐらいどおってことないからちょっと待って。」
サラサラと魔法陣を書き直し、もう一度使ってみる。
「ほんとですわ。リュシオルの作り出した異空間にて存在って出ていますわ。」
作り直した魔法陣も簡単に機能したのだった。
そしてリュシオルはその魔法陣を触り、魔法陣を体に取り込んだ。
「なっ!!何してるんだ!」
「え?こうやって取り込んだらいつだって使えるようになるから取り込んだんだけど?」
「そんな・・・。そんな方法があるなんて・・・。」
まさか魔法陣にそんな使い方もあったなんて知らなかったのである。
「でも、やめた方がいいよ?自分より強い魔法陣を取り込むと体がどうなるか分からないから。」
「・・・というのは?」
「そうだな~炎の上級の魔法陣を中級までしか覚えれない体に入れるとします。たぶんだけど体の中から燃えるんじゃないかな?」
「じゃ・・・じゃあ!氷なら大丈夫でなくて?!」
「氷なら内部から凍る、水なら体の水分がおかしくなって膨らんで破裂するんじゃないかな?」
事も無さげに言ってのけたのだが、恐ろしいことである。
比較的安全そうな水でさえも体に被害が出るという。
「なぜそれをリュシオルは知っているんだ?」
「マージから貰った本に書いてあったんだ。」
そう言いながらアイテムボックスから本を取り出し、そのページを開いて見せたのである。
「ほんとですわ・・・。ちゃんと書いてありますわ。」
顔面を少し蒼白にしながらエクラは皆に告げた。
「そういうこと。試すんだったら俺が許可を出した奴だけにした方がいい。でも、体には容量があるから数は制限はした方がいいよ。」
なんと・・・。
覚える数は人によって容量が違うようだった。
ちなみにリュシオルは無尽蔵に入るのだが、ここでは黙っていることにした。
「そうか・・・。諸刃の剣なんだな。」
「そういうこと。じゃあ、早速王子と王女を検索かけてみるよ。」
ストックしておいたもう一枚の魔法陣に魔力を込めながら検索を掛けた。




