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会議室から出て、受付に行くと先ほど説明のあった報酬の話をされた。
「それでは、素材売却の支払いをさせていただきます。現金での受け渡しはできない額なのですが・・・。」
「ならすべてギルドカードに入れといてくれるか?」
「かしこまりました。」
報酬の支払いが終わり、帰宅した。
「話はうまくいったのか?」
「何とか卒業まで隠してもらう方向で話がつきそうだ。」
「そうか。では、王子・王女の件だが・・・。」
「全くつかめていないから、足で稼ぐしかない・・・。」
「そうか。我々も出来る限り探そうと思う。」
「とりあえず情報屋でもなんでも話を聞くしかないな・・・。」
途方もなく感じられる捜索が始まった。
数日後・・・。
「足取りが全く見つかりません。」
「全く情報がありません。」
王城にて報告が行われたが、全く見つからなかった。
「あいわかった。下がるがよい。」
「はっ!」
「そろそろ、シャドーブラックが来るのか。」
「さようでございます。それにしても面妖なことを・・・。」
「そういうでない宰相よ。」
「はっ!」
宰相が後ろに控えると、衛兵が入室の許可を求めてきた。
許可を出すと、シャドーブラックとシャインゴールド、つまり、リュシオルとルーチェが入室した。
入室してすぐに、臣下の礼をとった。
「ご苦労だった。顔を上げるがよい。」
ゆっくりと礼をした体制のまま顔を上げた。
「ではその方からの要請があった通り、最低限人を下げるとしよう。」
手を上げると、騎士団長と宰相以外謁見の間から退出した。
「これでよいか?」
「感謝致します陛下。」
「それでは、話に入ろうか。まずは顔を見せよ。」
宰相に言われ、仮面をとった。
すると、元の髪色に戻り、服も戻った。
「これは凄い・・・。してなぜ姿を隠しているのだ?」
「それにつきましては・・・。学院の一般的な生徒として学生生活を送りたかったからなのです。」
「なるほど・・・確かにその実力だと隠す必要があるな。」
宰相より質問があり、そう答えた。
「学院生活は楽しいか?」
「はい。新たな発見があり楽しいです。」
「そうか。それでは本題になるが、そなたには伯爵の地位が与えられる。そしてそれに伴い、姓と土地が与えられる。ありがたく受け取るがよい。」
「ありがとうございます。発言よろしいでしょうか?」
「なんだ?申してみよ。」
ゆっくりと顔を上げて、発言した。
「はい。貰える土地なのですが、いらないような所をもらい受けたく思います。」
「いらないようなとはどういうことだ?」
「やせ細った土地、何もないところ、敵の近くなどの土地がどこかにあるかと思われます。それらの土地をもらい受けたく思います。」
「宰相よ。そのような土地はありますでしょうか?」
「はい。ございます。一番いらないのであれば、ここから北の方の土地でしょうか?」
「確かにあそこは何もできないな。」
王が宰相に確認したところあったようだ。
「どのような土地でしょうか?」
「北の方なのだが、土地は痩せていて、冬は雪が積もり、何もないところだ。そのような土地で良ければ広く存在するが?」
「その土地をいただけますでしょうか?」
「本当に良いのか?」
「はい。」
「では、そちに未開の地エルラドを与えることとする。そしてそちの姓はエルラドを名乗るがよい。」
「ありがたくお受けいたします。」
王より剣を承り、リュシオルはリュシオル・エルラドとなった。
「わたくし、リュシオル・エルラドは王国にさらなる繁栄を!」
立ち上がり、受け渡された剣を掲げて祝詞を言った。
「それではエルラド伯爵。一般には卒業と同時に公表とさせていただく。土地についてはいつでも向かうがよい。詳しくは宰相に聞くがよい。」
そういうと、王は謁見の間から奥に下がった。
「それでは、土地について話をしようか。」
「はい。」
「」
宰相の後に付いて行き、会議室にて土地の説明を聞くのだった。




