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レオーネの言葉を聞いた人がぞろぞろと集まってきた。
集まったのは、広い範囲で大勢だった。
「これは多いな・・・。ちょっと上に上がって中心からするよ。」
「分かりました。では、私を中心に集まってきてください。」
レオーネは手を上げて、重症患者の周りに軽度の患者を集めた。
「これでいいですか?」
「助かった。じゃあ始めるね。」
リュシオルは翼を出して、空に舞い上がった。
すると初めて見た人が多かったのか、おぉー!と歓声が上がった。
前までずっと黒い翼を使っていたのだが、デモンストレーション用の色も用意しておいたのだ。
つまり、見栄えのいい銀の翼である。
「皆さん!治療します。〖エリア・サルヴェイション〗」
効果を見えるように光となって降り注ぐようにした。
そして、次々と治っていくのを見て歓声が上がった。
「すごい・・・。」
「こんなにも治るのか・・・。」
「さっきまで動かなかった腕が・・・。」
「見える・・・目が見える!!!」
もう治らないと思っていた傷が治っていくのを見て、徐々に歓声が上がった。
「ありがとうございます!!」
「シャドーブラック様―!!!」
その場が混沌としかけていた。
リュシオルはそれを見てまずいと思い、声を出した。
「皆さん!落ち着いてください!」
風魔法を使い、声を響かせたことにより、全員に聞こえたようで口を閉ざした。
「ありがとうございます。この度は、このようなことになり、皆さんも怪我をしましたが、この通り、すべて元に戻ったと思います。しかし、亡くなった方は私でも治せません・・・。ですので、今から生きている方を全員で探したいと思います!見つけたらすぐに私を呼んでください。」
「でも、呼んでも聞こえないんじゃ・・・。」
「今からこの町全体に魔法を掛けます。合言葉を決めましょう。その言葉が発せられたら、私に言葉が届くようにしましょう。」
話を聞き、口を開ける人間がいたりしたが、話を聞き、すぐに声を上げる人がいた。
「それなら・・・天使!天使と言ったら、あなたに声が届くようにしてください!」
「そうだ!それがいい!」
「私も頑張って探します!」
治療された人たちは口々に言い始めた。
リュシオルもむず痒いと思いながら、提案したこともあり、天使をキーワードに設定することにした。
「では、今から魔法を掛けます。なので、その言葉は発見した時のみでお願いします。」
すぐにその場は静かになり、聞く体制に入っていた。
「ありがとうございます。今はこの学院も街の方も潰れているかと思いますが、救出が全て終わり次第、建物全て修復したいと思います。」
リュシオルが全部修復すると言い出したことにより、またざわざわし始めた。
「そんなことは可能なんですか・・・?」
「私達・・・また元の生活が出来るんですか?」
声を絞り出すように聞いてきたことにリュシオルは頷いた。
「ありがとうございます!」
「感謝を!」
また盛り上がってしまった・・・。
リュシオルがそろそろ救出に・・・っと声を掛けようとしたとき・・・
「じゃあ、探すぞ!」
「あぁ!やる気がみなぎってきた!」
「出来る限りさせてもらいます!」
治療された皆の目に生気が宿っていた。
次々と走り始めて、捜索が始まった。
「すごいですね・・・直せるんですね。」
「大したことはないけど、複合魔法になるから難しいかな?」
「なるほど。私には使えなさそうです。」
「土魔法を極めたら出来るかもしれないな。おっと!呼ばれたみたいだ・・・。」
「お願いします。」
レオーネとしゃべった後、救出を求めている元へと駆けつける。




