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素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
学院祭襲撃編
233/375

~232~

 外に出ると、巨大な積乱雲が低いところにできていた。


「シャドー様!他はほとんど終わりました!」

「わたくしの方も終わりましたわ。」

「我の所は少し残ってるが、雑魚ばかりで、後は冒険者が何とかするとのことだ。」

「こっちも終わった。」


 四方に散らばっていた召喚獣たちが集まってきた。


「ブラック様。周囲を見てきたのですが、召喚者はもう逃げた後の様でした。なので、時限式で作られた召喚陣を破壊してきていたのですが、思ったよりも多く時間がかかってしまいました。申し訳ありません。」


 ルーチェには召喚者及び、召喚陣の破壊を命じていた。

 魔獣が召喚されているのが分かった時点で探させたが、召喚者はすぐに逃げていたようで捕まらず、嗅覚のいいシャインと空からのジェイドを連れていても見つからなかったみたいである。


「仕方がない。たぶん上位クラスの人間が来ていたのだろうと予想していたけど、正解だった。」

「はい。魔力のあとも残っておりませんでした。」


 報告を聞いている内に、積乱雲が形成され始めた。


「一体あれは何なんだ?」


 徐々に現れ始めたのは、数十メートルにもなる巨大な巨人族の様であったが、至る所にうろこが生えていた。


「これって・・・。」

「キメラ召喚なのかもしれない。」

「そんなことって!!」

「私たちが知らないだけで、出来るのかもしれない・・・。」


 まだ、腰までしか見えていないが、腰までだけ見ただけで3~4階の建物と同じぐらいだろうと予想できた。


「こんなデカイだけのやつなんて簡単じゃないか!的もデカイし、攻撃が当たりまくりだ。」

「その対策が、この鱗なんじゃないか?」

「とりあえず、皆は避難できていない人がいないか確認と、雑魚の掃除を頼む。」

「わかったわ。」

「こっちは任せてくれ。」


 プワソンたちには、人命救助と掃除を頼むことにした。


「では、俺たちはこいつの討伐だな。」

「長い戦いになりそうですね・・・。」


 召喚が終わった巨人を見上げた。

 すると、閉じていた目を開き、赤い瞳でリュシオルたちをにらんできた。


「ぐぁぁぁぁぁ!」


 棍棒を掲げ、鼓膜が破れそうになるぐらいの咆哮を発した後、動き始めた。

 巨人は棍棒を振り上げ、リュシオルたちのいるところにすごいスピードで振り下ろした。

 しかし、単純攻撃だったため、避けることに成功していたが・・・。


「普通の巨人・・・ギガースより攻撃が早いな。」

「はい。これは強力です・・・。」


 攻撃後の地面は、クレーターのようにえぐれてしまっていた。


「それぞれ、連携で攻撃を!出来るだけ弱らせなくては!」

「「「「「「了解です。」」」」」」


 召喚獣たちは本来の姿に戻り、攻撃を仕掛ける。

 アルシュは全種類の魔法で攻撃を。

 他は、使える魔法を駆使し、複合させながら攻撃をしていた。


「俺も。バルト!ガルディ!」

「「はい!」」


 装飾具から本来の手甲と刀に戻る。

 そして、リュシオルとルーチェも攻撃に加わるのだが、中々敵に攻撃が通ることはなかった。

 やはり、本来の強靭きょうじんな体にドラゴンの鱗の防御力が足されると、とんでもない壁になっていた。


「はぁあああ!」

「ッシ!」


 武器を持っているリュシオルとルーチェは弱そうな関節の部分を狙うが、それでも斬れない・刺さらない。

 魔法で翻弄ほんろうしている召喚獣も避けながらだが、やはり巨人の攻撃が早いのか、少しかすったりして、じんわりと血を流していた。


「わぁあああ!」


 そして、ついに最初の脱落者が出てしまった。

 空から攻撃して、目を潰そうと近づいたジェイドの気づいた巨人に棍棒を持っていない手の方で払われ、飛ばされてしまった。


「ジェイド!」

「キャッ!」

「ぐあっ!」


 そして、攻撃が少なくなったことにより、巨人は少しスピードの落ちていたヴァイスとアンブルも足で蹴飛ばされ、飛んで建物にぶつかって見えなくなってしまった。


「あるじ!」


 そして、飛んでいってしまった3匹を目で追ったリュシオルに巨人からの攻撃が近づいていた。

 間に合わないと目をつぶった瞬間に柔らかな衝撃の後、間近でドンッと音がした。

 目を開けると近くの木にグルナがぶつかって血を流して倒れていた。


「グルナ!」

「だ・・・大丈夫・・・それより敵を・・・。」


 近づき、確認すると安心したようで、召喚解除をグルナ自らしたのだった。

 ここにいては戦いの邪魔になると思ったのと、向こうに帰れば、治療しやすいからである。


「よくも・・・。」


 リュシオルは頭の中が怒りに染まっていく。

 武器たちが何かを言っていたが、もうリュシオルの耳には届かなかった。



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