~226~
煙が晴れたその先には・・・。
~おっと!これはものすごい威力です!競技場が抉れています!そして・・・プワソン選手は・・・場外だ!~
場外まで広がっていた煙が晴れたその先に、場内に居るリュシオルと場外で大の字で倒れているプワソン。
~さすがですね。ほんとに胸を借りる試合でした。~
~中々な試合だったと思います。では、健闘したプワソン選手に温かい拍手をお願いします!~
会場は、よくやった!頑張ったぞ!などの声援が響いていた。
リュシオルは大の字に倒れているプワソンの所に羽を出して飛んでいく。
その様子を見た観客は、わぁ~!と歓声をあげた。
「よくやったよ。」
「あ・・・ありがとうございます。」
一応公共の場なので、普通に挨拶するプワソン。
「全く手も足も出ませんでした。」
「いや、いい剣筋していた。これからも精進して頑張って。」
「ありがとうございます。」
~青春ですね!ブラック様も若い方の様ですし!それでは、表彰に移りたいと思いますが・・・。~
「あ!ごめんね!すぐ治す!」
抉れている競技場を土魔法で修復する。
~え?!えっと・・・直していただいたので、表彰に移ります!~
会場もおぉ~!となっていた。
そして表彰になると、王族の王子と王妃が表彰するようだ。
「それでは、表彰します。優勝したプワソン・クレールスには優勝旗と賞金を贈与する。」
プワソンは壇上に上がり、王子の手より優勝旗と賞金が手渡された。
「そして、準優勝したラーク・シュバリエには準優勝カップと賞金を贈与する。」
壇上に近づき、王子の近くまできたラーク。
しかし、ここからが悪夢の始まりだった。
「シュバリエ?どうしたのだ?」
急にカクンと首が前に折れ、首の黒い球があらわになった。
すると、その黒い球から黒い霧が出始めた。
「おい!ラーク!」
プワソンがラークに近づいていくが、黒い霧に阻まれて近づくことができない。
そして、王子と王女が黒い霧に包まれた後、霧の檻に閉じ込められていた。
「なんだこれは・・・。」
「なんですの?!」
王子と王女は霧の檻をつかみ、出ようとするが、霧なはずなのに出ることが出来なかった。
すると、黒い霧が3つに分かれて人の大きさぐらいの塊になった後、人型になり現れたのは・・・。
「ふぅ~。いい感じで出れましたね。」
「中々機会が来ないと思っていたけど、お前うまくやったじゃないか!」
「目はつけていたので、成功する確率は高かったわ。」
「お前たちは何者だ!」
武闘会に出ていた選手の一人が声を上げた。
「私たちですか?」
「答える必要がないな。しかし、こうだけ教えといてやろう。我々は崇拝なる神のしもべであるとだけな。」
黒い霧が晴れた後に現れたのは、黒いマントを羽織った悪魔であった。
最初に発言した悪魔は、普通の顔なはずなのにガリガリに痩せており、生気が感じられない目と肌をしていた。
2番目の悪魔は、肌が赤くて牙と角が生えていた。
まんまの鬼のような姿であった。
そして、最後の女は蝙蝠の羽に角とセクシーな服を着ており、サキュバスみたいである。
「お前たちは・・・ダーククライムか?」
「あら?名前を知っている人がいるのね。ではあなたは消えてもらわなければなりませんけど・・・いい男ですわ。」
「おい。悪い癖が出ているぞ。」
「だって~そうやって作られているのですもの。仕方ないですわ。」
変な単語が聞こえてきた。
「どういうことだ?」
「どういうこととは何だ?」
「作られたとそこの女が口走っていたが・・・。」
「よく気づいたな。我々はキメラみたいなものだ。」
「そう。実行部隊の作られた者たちよ。」
「色々と弄られているからね。強いよ?」
実際にいる生物ではなく、作られていると発言した。
「なんて非道なんだ・・・。」
「あら。力を求めるには相応の代償が必要なのよ?妥当だわ。それに望んでなったのですもの。後悔の欠片もありませんわ。」
体を改造したことになのも不満が無いようだった。




