~21~
ちょっと長くなってしまいました。
続きをどうぞ~
「これで、契約は成立したね。じゃあ、一回打ってみる?」
「はい!エトワールお願いします。」
『はい姫。私の場合、普通の矢を射ることと魔力の矢を射ることの2種類が出来ます。他にもあるのですが、まずはこの二つの内普通の矢でしてみましょう。』
エトワールに言われ、買ってきた矢を矢筒から出して、弓を引き絞り、的を近くの木に定めて矢を放ってみた。
すると、綺麗な直線を描き、ストンという音だったが後ろまで貫通していた。
『普通の矢では、貫通力が増します。次は魔力を私に流してください。量が多ければ威力が増します。また、魔力と一緒に属性も加えると矢もそのように変化いたします。この後の工夫は姫次第となります。』
言われた通りに魔力を込めると魔力の矢が発生し、魔力量を多くすると少し矢が大きくなった。
その状態でさっき放った木の隣の木に放つと、真ん中から弾けて木を倒した。
次に、魔力に属性を込めはじめる。
今回は風を込めて放ってみたようだ。
その隣に放つと、風の渦が発生しながら矢は真っ直ぐ飛んでいき、カマイタチに斬られたみたいなような後が残った。
「エトワールすごい!これならリュシオル様の役に立てるわ!これからもよろしくね!」
『もちろんですとも。では、武器の要らない時はどうしましょうか?指輪でも腕輪でも何でも形態を変えれますが?』
「そんなことも出来るの?じゃあ腕輪で!」
リュシオルは初耳である・・・。
少しジトッとした目でバルトとガルディを見ると。
『『♪~~~♪~~』』
「ごまかさなくていいから・・・。忘れてたんだろ?じゃあ、ガルディはバングルにしてもらおうかな?」
『申し訳ありませんでした主』
『ホントにすっかり忘れてたんだよ~ごめんなさい!そして僕ゎ主様~?』
「何がいいかな?じゃあ、指輪になって中指に。」
『はぁ~い』
ルーチェのことも終わり、やりたいこともあったので、薬草を採取して帰ることにした。
群生しているとこを見つけ早々と終わり、町に帰りギルドに向かった。
歩いているときにルーチェは少し考えていたが分からなかったみたいでリュシオルに質問をしてきた。
「リュシオル様?何故またギルドに行くのですか?」
「ああ、実は回復薬とかクロワさんに聞きたくて。そこらの人に聞くより情報が確かだから質問をしにね。」
「そうなんですね。わかりました。」
ギルドに着き、クロワさんを探すともうすぐ仕事が終わりのようで終わってから話を聞いてくれるようだ。
待っている時間少し暇なため、他のギルド嬢にモンスター図鑑や薬草図鑑を借りて読んで待つことにした。
夢中になって読んで、読み終わるとちょうどクロワが着替えてこちらに向かって歩いてきていた。
「お待たせして申し訳ありません。」
少し焦っていたみたいで、髪の毛が少し乱れていた。
頭を下げて謝ってきたので、立ち上がりながらリュシオルはその髪を手櫛ですいて整えてあげた。
相変わらずのイケメンである。
「いえいえ。こちらがお願いする立場なのでそんなに謝らなくて大丈夫ですよ。」
にっこり笑ってクロワに言うとクロワは顔を真っ赤にしていた。
『あ~やりすぎたかな?ちょっと図々しかったかな?』
「あ・・ありがとうごじゃいます。」
『あ・・よかった大丈夫だった。』
やはり少し噛んでしまったクロワ。
こんなことをされたのは、大人になってからは初めてで、あたふたしてしまった。
「では、お茶しながらお話聞いてもいいですか?」
「はい。じゃあオススメのカフェに行きましょう。」
クロワに連れられて可愛らしいカフェに入った。
注文をし、待っている間に話をしようと話しかけた。
「クロワさん。回復薬ってどうやって作られるのか知っていますか?」
「回復薬ですか?一般的なのが、薬師によって作られるのと、もう一つが錬金術で作る場合ですね。圧倒的に前者が多いです。入れ物に関しては、鍛冶では追いつかないので、ビンは薬師が契約して錬金術師に作ってもらっていますね。」
「そうなんですか・・・薬師の場合だと作る時間がかかるってことですか?」
「その通りですね。時間はかかるけど、普通から良質のものができます。錬金術師の方が何故作らないかといいますと、作ると薬がまとめてできるのです。ですが、品質がなぜか・・・かなり落ちちゃいますので、ビン作りや他のことをしていますね。薬はほぼ作っていないです。」
やはり、クロワに聞いて正解だった。
質問している間にお茶とルーチェが食べたそうにしていたため頼んだフルーツケーキが届き、ルーチェは幸せそうに無言で食べていた。
「なるほど勉強になりました。」
「いえいえ。何かあると思っていましたが・・・薬も自作しようとなさっているんですね。」
クロワは察していた。
リュシオルは規格外だと分かっていたがホントに色々と手をつけようとしているのが分かった。
「はい。もし出来たら便利だと思ったので。やり方が分からないのでもし良かったら・・・」
「見学ですね。ん~あの人なら見せてくれると思います。明日紹介状と説明の簡単な地図を書いてお渡しするので行ってみてください。」
「さすがクロワさん。分かってらっしゃる。どうもありがとうございます。」
「出来る女ですからね。当然です!」
少し得意げな顔をしてクロワは答えた。
「また何かあれば聞いてくださいね。」
「はい。いつもお世話になります。」
お茶も飲み終わり、会計の紙をリュシオルはさりげなく取ってお金を取り出し店員さんに渡して精算を終わらす。
「あ・・・私の分は払いますよ~」
「いえいえ。せっかくの時間を俺のために割いてくれたのですからこれぐらいさせてください。」
「じゃ・・じゃあお言葉に甘えます。」
「はい。甘えられます。」
お釣りを受け取り、カフェ出てクロワと分かれた後、リュシオル達は宿に帰った。




