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素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
学院祭襲撃編
216/375

~215~

 エクラの相手は、ラーク・シュバリエ。

 先ほどの第1試合で見事な試合を繰り広げたラークである。


「あなたと戦うとは思いませんでしたわ。」

「そうですね。初めて手合わせをすることとなりましたね。」

「そうだったかしら?小さい頃はよくしていたように思いますわ。」

「あれは遊戯でしたこと。比べ物になりませんよ。」


 小さい頃、同じ貴族階級同士であるため、度々遊ぶことがあったのだ。


「では昔と違うということで、気を引き締めて対戦しないとですわ。」

「女性を傷つけるわけにはいかないので・・・。」


 そう言いながら取り出したのは、木の剣である。


「気を使わなくても大丈夫ですわよ?いい腕の治療師がいますので。」


 そう言いながらリュシオルたちの方を見た。


「なるほど。傷が付いても、それすらわからないぐらいに治す・・・ですか。」


 エクラが視線を向けた方を見て納得した。


「それならば、これは失礼にあたりますね。同じようにしましょう。」


 持っていた木剣を場外に放り投げて、従者に刃を潰した鉄の剣を持ってこさせた。


「これでは私の方が有利になってしまうのでは?」

「構わないですわ。」


 そう言いながら構えた。


「はじめ!」


 審判の声と共に2人とも駆けだした。

 剣と剣がぶつかった後、すぐに距離を2人共取った。


「これはわたくしは不利ですわね。受け流させていただきますわ。」

「いやはや。女性の身であってあのように正面衝突されて飛ばされないとは大したものです。」

「貴族の嗜みですわ。」

「そこまで出来るご令嬢はいらっしゃらないかと・・・。」

「まぁ!それはいけませんわね。」


 それは残念だという風な仕草をした後、突撃した。


「はぁ!やっ!」

「ふっ!はっ!」


 エクラは突きを主体として攻撃していく。

 だが、ラークもそれをかわしたり、受け止めたりしていく。


「中々やりますね。」

「はっ!お褒めにあずかり!光栄!ですわ!」


 攻撃を繰り広げながら返事をする。


「はぁはぁ・・・。剣ではこれまでの様ですわね。」

「肉体の違いもありますね。訓練量が違います。」

「魔法ならまだいけましてよ?ですがこれで終わりとさせていただきますわ。」

「魔法も使っていただいて構いませんよ?」

「いえ。使いませんわ。ここでは手の内を明かせませんもの。」


 にやりと口の端を少しあげてエクラは答えた。


「そうですか。ではこの一撃で終わりとしましょう。」


 2人は最後の一撃のタイミングを計っていた。

 すると、風が少し吹き込んだ瞬間に動き出した。

 結果は・・・。


「参りましたわ。降参ですわ。」


 首に剣を突き付けられたエクラが降参した。


「勝者ラーク・シュバリエ!」


 会場はわぁ~!と大歓声が轟いていた。

 ラークは首から剣を離し、エクラに握手するため手を出した。


「いい試合が出来ました。」

「こちらこそ。剣ではかないませんでしたわ。」


 エクラは負けたが清々しい笑顔を浮かべて握手を返した。


「エクラちゃん負けちゃいましたね。」

「剣のレベルではあっちの方が高いからな。仕方ないことだろう。だけどいい試合だったじゃないか。」


 レオーネが少し落胆していた。

 そして、挨拶の終えたエクラは出口の方に向かっていた。


「でも、エクラちゃんだって魔法と圏を使えば勝てて・・・。」

「本人が使わないって言ったんだからいいんじゃないか?それにあれは冒険者用って言っていたしね。」

「そうだよね。あっちでの実力の方が大事だよね。それに大きな怪我もなく終われたからよかった・・・。」


 レオーネは勝負より、怪我をしていないことにホッとしたようだった。


「でも、小さな傷はありそうだから治してあげないと!」


 レオーネは握りこぶしを作り、鼻息をフンス!と強く出した。


「次はプワソンさんの試合ですが、わたくしは店の方に戻りたいと思います。」

「もうそんな時間?」

「はい。それではお先に失礼します。」

「ルーチェちゃんの分も見ているね~!」


 店の当番の時間になってきたため、先にルーチェが戻って行った。


「私も時間的にプワソン君の試合を見たらかな?」

「レオーネも戻るのか。俺もある程度したら帰ってきてくれって言われているし・・・。」

「ただいま!どうしたんだ?」

「戻りましたわ。」


 リンブルとエクラがタイミングよく戻ってきた。


「あぁ。俺たちは店番があるからもう少ししたら教室に戻らないとなんだ。」

「そういえば・・・。わたくしたちは試合が終わるまで免除されているので、残りも見ていますわ。」

「ありがとう!ベリエちゃん試合が見れないから応援してあげてね?」


 リンブルとエクラにお願いをした。


「そうだ!2人ともこっちに来て?」


 2人を呼ぶと、呪文を唱えてヒールを唱えた。


「これでよしっと!痛いところはない?」

「大丈夫だ!問題ないぜ。」

「問題ないですわ。今ので消えましたわ。」

「よかった。」


 レオーネは安堵し、身支度を整えた。


「終わったらすぐに行かないと時間が危ないので・・・。リュシオル君はどうする?」

「レオーネの後を追いかけるよ。」


 プワソンのことを聞いているので少し、苦笑しながら答えた。

 その間に選手が入れ替わり、次はプワソンの試合となった。


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