~212~
リュシオルたちがトイレから帰ってきた後、女の子たちも入れ替わりでトイレに向かったようだ。
「団子はいかがですかぁ~?」
「冷たい飲み物はいかがですか?!」
「軽い食事をつまみながら観戦をどうぞ!」
ずっと売り子たちは声を張り上げて物を売っていた。
「少し買わないか?」
「そうだな。女の子たちが帰ってくる前にある程度だけ買っておくか。」
「すいませ~ん!」
声を出して売り子を呼び、色々買っていった。
「戻りましたわ。あら?色々買っていましたのね。」
「私たちも買ってしまいました・・・。」
「これなら大丈夫なのでは?私たちが買ったのは、主に甘味類ですので。」
「言われてみればそうですわね。では先にリュシオルたちが買った物から食べましょう。」
リュシオルたちが買ったのは軽食で、エクラ達が買ってきたのはデザートであった。
~それでは休憩時間を終わりまして、試合の方に戻りたいと思います。後半で注目したい選手は誰でしょうか?~
~それはもちろん!男性ではシュバリエ家と並ぶ家柄のプワソン・クレールス選手!一方女性で注目したいのは、ベリエ選手!そしてベリエ選手は、一般からの学生だ!それなのに、貴族に並ぶような華麗な身のこなし・美しさ!スタイルの良さ!注目したいですね~
~男は結局体目当てですね。皆でこいつを白い目で見ましょう。さて・・・後半の試合に移ります!~
司会先行の男女が漫才をした後、試合が開始された。
「次がプワソンの試合だったな。」
「お父様が来ているので、気合が入っていると思われますが、魔法無しで頑張るそうなので怪我して帰ってくると思われますわ。」
「なにその無鉄砲な感じの戦い方・・・。」
「話せば長くなってしまいますが、簡単に言うとお父様が昔に単騎で大群に突っ込み、剣だけで何千もの敵を薙ぎ払った伝説があるそうですわ。」
「なるほど・・・。それに近づきたいってわけだね。」
「そうですわ。小さい頃にそれを何度も話をせがんでいましたわ。それをいつか自分もするんだって。それの足掛かりでもありますわね。」
中々調味深い話が聞けたようだ。
今度ゆっくりといろんな話をしたいものだとリュシオルは思った。
「次が始まるぞ。」
中央にプワソンと対戦相手の選手が立った。
~注目のプワソン選手です!この方は頭脳明晰。クールにミステリアス・・・。アンニュイな雰囲気もあり、氷の王子とも呼ばれたりしています。かっこいいのは間違いないですね!~
~とりあえず、男の敵ですね。~
締まりのない司会進行が終わり、審判から試合の合図が出された。
今回は司会の話を聞いてみよう。
~これは、剣同士の戦いになりそうです。どう見ますか?~
~そうですね・・・プワソン選手の方が、小さい頃からされているので、有利には間違いないですが、相手もここまで上がってくる実力があるのは確かなので、この後も見ていきましょう。~
~おっと?一旦距離を取ったようです。見てみると、プワソン選手は息は乱れていないのに、相手選手は肩で息していますね。~
~やはり、鍛え方が違うんですね。あの服の下を見てみたいものです・・・。~
普段プワソンは脱いだりしないので誰も体を見たことないのだ。
ちなみに、同じ部屋である2人はよく目撃する。
女の子もチラリがないかと、目を皿にしてみているようだった。
今日は少し短いです・・・。




