~20~
「さて!後はルーチェの武器と防具を買いにいきますか!」
「はい!頑張って役にたちます!」
気合十分なルーチェを連れて、またもクロワに紹介されていったあの武器屋に行くことにした。
その前にお腹が減ったので適当に屋台で食事を買い、歩きながら散歩感覚で向かうことに。
「こんにちわ~いますか~?」
武器屋に着き、中に入って声を出したら奥からニュッって出てきた。
「この間の坊主じゃないか!どうだい?あの二つは?」
「はい。とてもいい子達です。」
ここで出会ったバルトとガルディの話をすると、アイテムボックスの中なのに光って出てきた。
『久しぶり~。主様はすごくいい人だよ~。』
『はい。長い間待った甲斐があったようです。素晴らしい主です。』
勝手に出てきて、店主と話を始めた。
どうやら店主も話が聞こえるようだ。
「良かったじゃないか。名前は貰ったみたいだな。大事に使ってやってくれ。それはそうと今日はどうしたんだ?」
「今日はこの子の武器と防具を見繕いにきました。」
「あいよ。この子は・・・弓か・・・あれかあいつが合いそうだけど坊主みたいに出てくるかな?」
と話をしたところ、店主の予想通りにカウンターに光って出てきた。
「もうおどろかねえぜ。コイツも眠っていたやつだ。そいつらと同じだ。」
光が治まって出てきたのは、綺麗な銀色の弓であった。
まるで神話にでも出てきそうなほどであるが、デザインがシンプルに銀色一色であった。
「弓はタダでいい。剣と手甲と同じだ。防具は出てこないみたいだからこちらで用意するぜ。」
そう言うと奥に入って行った。
ルーチェは出てきた弓を手に取り眺めていた。
そうこうしている間に店主は防具を持ってきてカウンターに置いた。
「これは弓を扱う用の防具だ。あまり重くてもダメだから半身片方だけ守っている。色はそいつに合わせて銀色でミスリルを使っている。少し高いがお前さんなら払えるだろ?」
「え・・・こんな高価なものはいただけません。リュシオル様もっと安いもので大丈夫です。」
ルーチェは高いと聞いて遠慮して断わってきたが、命を大事にを心がけるリュシオルとしては必要だと思い購入を決めた。
「それを頂きます。いくらになりますか?」
「そうだと思ったぜ。お代は矢筒と合わせて20万エカトだ。」
「大丈夫です。支払いはギルドカードでも大丈夫ですか?」
「いいぜ。ここにかざしな。それで値段を確認してボタンを押してくれ。」
言われた通りにかざしすると、20万と表示されたのでボタンを押した。
「毎度あり。調整をするから嬢ちゃんはこっちに来てくれるか?」
ルーチェは店主の傍に行き、防具を合わせてもらった。
「うん。大丈夫みたいだな。合わなくなってきたり、きつくなったらまた来てくれ。調整をする。」
「分かりました。またいい武器をありがとうございます。」
「いいんだ。そいつらとの契約だからな。またなんか入用なら来てくれ。」
「はい。では失礼します。」
お礼をいい、武器屋を後にした。
「さてどうしようか?」
やることも即終わってしまったのでこの後どうしようかと悩んだ。
「では、少しこの弓を使いたいのですがいいでしょうか?」
持っていた弓を見せてルーチェが言ってきた。
「そうだね。予想されることがあるから、門の外に行って人には見えないとこでしようか。」
すごく不思議そうな顔をしていたが、何か理由があるみたいなので素直に従うことにしたルーチェ。
リュシオルの言われるがままに門の外に出て行った。
「さて、ここぐらいでいいかな?バルト、ガルディいいかい?」
『『はい!主(様)!』』
ルーチェの前で光って刀と手甲が装備されて現れた。
先ほどまで聞こえなかった声が聞こえてきた。
リュシオルが出して装備するように出していたのだと思っていたのだが、実際は武器と防具が自ら装備されに行っていたのだと分かった。
「この子達が俺の相棒たちで、刀がバルトで手甲がガルディ。」
『『よろしくお願いします(ね)』
「喋った?え?武器や防具って喋るのですか?」
あまりに色んなことが起こりすぎて、もはやパニックになってしまっていた。
「う~ん。俺も説明が難しいんだけど、いい武器には魂が宿ることがあるそうだ。そういう風に思うしかないよね。俺も最初びっくりしたし。」
「そうなんですか。それはびっくりしますよね。」
もうこの方はすごいってことでルーチェは考えることを諦めてしまっているような気がした。
「そして、ここに来た理由はもう一つその弓のことなんだけど、たぶん相棒たちと同じで魂が宿っているよ?」
「え?ほんとですか!!」
不思議がってルーチェが弓を見ていると声が聞こえてきたみたいだ。
もちろんリュシオルも聞こえているのだが。
『初めまして、弓です。お嬢様の名前を教えてもらえますか?』
優しい男の人の声で聞こえてきた。
「わ・・私はルーチェ。リュシオル様の奴隷です。」
『ルーチェ様ですね。では、私と契約してくださいますか?』
「もちろんです!契約ってどうするのですか?」
『名前をもらえますか?』
「名前・・・私は浮かばないよ・・・りゅしおるさまぁ~」
少し泣きそうな顔で助けを求めてきた。
仕方が無いので、考えてあげることにする。
「ルーチェが月の加護を貰ってるから、その子は星かなエトワールはどうかな?」
「さすがリュシオル様!あなたの名前はエトワールです。」
『ありがとうございます!姫!』
エトワールは光るとバルトとガルディと同じように光った。
光から現れたエトワールは銀に白色で装飾されていた。
まるで、月からの使者のようであった。
最近買った洗顔石鹸がいい感じ。
『あっぷりの』っていうやつです^^
りんごの匂いがしていいかんじです^^




