~206~
その日の夜。
ご飯を食べた後、精神統一をプワソンはしていた。
「気合が入っているな・・・。」
「剣だけの実力で優勝を目指すんですって。」
「そうらしいですわ。お父様が来るらしくて、剣の腕を見てもらいたいらしいですわ。」
「次期当主だもんな。現当主に認めてもらいたいよな。」
周りはお茶をしながらプワソンを見ていた。
すると、大きく息を吐いて組んでいる足を解いて、ソファーに近づいてきた。
「どうだ?」
「精神統一って言うより、魔力を循環させていただけなんだが。」
「なるほどね。確かによく回っているな。」
「体に循環させることで魔力の発動がと言っていただろ?」
「うん。よく覚えていたね。」
前にどうしてかと聞かれて答えたことを毎日欠かさずやっていたようだった。
「え?日課の精神統一じゃなかったのか?」
「ここでやったり部屋でやったりしているが、欠かさず魔力循環をしていた。だから精神統一ではないな。」
「そうだったのか・・・。」
リンブルは先を越されたと悔しそうな顔をしていた。
「今からでも先を見たら長いんだから間に合うぞ?生きている間ずっと訓練なのだから。」
「そこまで脳筋じゃないぞ?!でも、そうだよな・・・。」
「魔力は頑張れば少しずつでも伸びていくんだからやるべきよね。」
「私もがんばってみようかと思います。」
皆もやろうとするようだった。
「あ!そういえば、最近発見したんだが魔力を循環するときに浄化と言えばいいのだろうか?不純物を取り除くようにしてみると魔力の質が良くなったな・・・。」
「「「「「え?」」」」」
「それはどういうことだ?!」
皆は驚き、プワソンは質問してきた。
「視覚で見てみるとわかりやすいかな?」
そう言い、掌を上に向けて魔力を色を付けてボール状にした。
「今皆の魔力はこんな灰色の魔力なんだ。ここから魔法・・・火の魔法を使おうとすると、赤色に変えなければ発動しない。その際に灰色から赤にすると?」
「濁っているわね・・・。」
顎に手を当てながらベリエが答えた。
「そう。パーセンテージで表すと80パーセントの威力だ。そこでこの灰色の魔力を不純物を取り除くように考えて真っ白にしてみます。」
灰色だった魔力ボールを白色に変える。
「ここから色を付けると?」
「100パーセントの威力になるということだな。」
優秀である。
プワソンは魔法講習はメモを取ってしているため、復習が完璧なのだ。
「だけど、不純物だっけ?それを取り除いた後の不純物はどうするんだ?」
「いいところにリンブルが注目したな。気になるこの不純物は、手に集めて浄化します。」
「え?どうやるの?」
気になる浄化の仕方の説明があいまいだった。
「それはちゃんと説明するよ・・・。これが不純物の魔力。元は自分の魔力なわけだから自分でコントロールできるはずだよ。これをこれぐるぐる回す・こねる等を・・・自分の綺麗にするイメージの動きね?それで綺麗にします。分かりやすいように回してみるね。」
洗濯機のようにクルクルと高速回転をさせて、綺麗にしていく。
「なるほど。それで、綺麗にするのか・・・。」
なんとなくのイメージを伝えて、実践をしていく。
四苦八苦しながら自分の綺麗にするイメージを考えながら綺麗にしていく。
見て、イメージしたのか皆も色付きの魔力で練習していた。
「これでどうだろうか?」
「いいんじゃないかな?」
やはり呑み込みのいいプワソンは何とか形にしてきた。
「イメージってとても大切だから自分の馴染み深いことでするといいよ。」
「あ!」
「なるほどね・・・。」
他のみんなもどんどんできるようになってきていた。
「さらに質問はいいだろうか?」
「ん?何?」
「このように魔力を浄化した後、体への影響はないのだろうか?」
「やっているけど、何もなかったよ。でも人それぞれかもしれないから体調がおかしいと思ったら教えてほしい。」
皆に注意を呼び掛けておいた。
「さて、そろそろ解散しようか。」
集中してのめり込んでいる皆に声をかけて解散をうながす。
「そうだな。本番前に疲れたら元も子もないもんな。」
「日々やることが大事だから、頑張ってね。」
「明日は頑張るぞ!」
「「「「お~!」」」」
掛け声をし、解散した。




